母子像(久生十蘭)
舞台は戦後の混乱期~朝鮮特需の時代。
太郎は16歳、アメリカの慈善団体の援助で、ハワイの学校から日本のミッション系中学の一年生に編入した。
(日本語教育が足りないため)
太郎はサイパン生まれの戦災孤児。
母は将校向けの慰安所を切り盛りする美しい女傑だった。 ...
文鳥(夏目漱石)
人に勧められて文鳥を飼った小説家(漱石)
初めはマメに世話を焼くが、仕事やつきあいが忙しくなるにつれて忘れる
気がついたら文鳥は、餌も水もないカゴの中で死んでいた
小説家は自分が世話を忘れたのに「おまえがちゃんと世話をしないからこうなった!」と ...
廃墟(筒井康隆)
最終戦争後の地球で、A&B、C&Dのカップルがどうにか生き延びていた。
月の明るい夜、AはBの華奢な体、つぶらな瞳をかわいいと思い、抱きしめた。それはCとDも同じだった。
毒の雨が降れば、四人の体は痛み、熱を出す。Cはひどい頭痛に苦しみ、大人しいDを泣きながら殴 ...
ペール・ゴリオ(バルザック)
ゴリオ氏は元製麺業者。
夫人の死後、娘二人の成長だけが生き甲斐だった。
年頃になった娘に過大な持参金を与えて大貴族に嫁がせ、親の義務は終わったと称して引退した。
十分な資産を確保し、下宿屋(賄いつきアパルトマン)で楽隠居…のはずが、娘二人はた ...
俘囚(海野十三)
高名な医学者「室戸博士」の妻「魚子」は、不気味な研究に没頭してばかり
&挙動に嫌悪感を覚えるようになった夫に愛想をつかして、
若い銀行員「松永」と不倫していたが、ある夜酔った勢いから夫の殺害を決意する。
松永をたきつけて博士を庭の古井戸に突き落と ...
人の顔(夢野久作)
昔読んだっきりなので、脳内補完はご容赦下さい。
船乗りの夫婦が、小さい女の子を養女にして可愛がっている。
幼女は健気に、塀のひび割れや天井の木目が航海中の養父の顔に見えるから寂しくない、と言う。
さらに、夜空の星を結んだら養母の顔と「おウチによく来る保険 ...
二壜の調味料(ロード・ダンセイニ)
若いメイドが一人、行方不明になった。
メイドの主人は、毎日敷地内の木を切り倒して薪割りに勤しんでいる。
近くの商店では肉料理用のソースと野菜ばかりを買う。
そのソースは野菜料理に使うと、ひどい味になる。
「なぜ薪割 ...
ブレイク君コア(小泉陽一朗)
主人公は高校生で雨の日に自分の自転車をガンガン踏みつける女の子(以下A)を見て一目ぼれする
何とか話しかけて放課後に待ち合わせて一緒に帰る仲になった
そろそろ告白しようと思っていた矢先Aがトラックにはねられて意識不明になる、
変身(東野圭吾)
主人公は不動産屋で強盗に出くわし頭を銃で撃たれる、その後犯人も警察に追い詰められ自殺
脳を損傷していたけど別の件で死んだ青年の脳の一部を移植したことにより命を取り留め意識を取り戻す
しばらくは問題なかったが退院した後から少しずつ主人公は変わり始めていく
前は無気力なタイプだっ ...
プリンのおじちゃん(平山夢明)
一ヶ月も続けると人間不信に陥るほど精神的にキツイ仕事だった
バレバレのその場しのぎの嘘を並べるのは良い方、逆切れして暴言・罵声を
あびせられることもたびたびだった。ノイローゼになり辞めたり自殺した社員もいる。 ...