僕らは海へ(那須正幹)
主人公さとしは小六。母子家庭で、出版社で働く母のもと中学受験に向けて勉強中。
勇・雅彰・邦俊は、さとしと同じ学習塾に通う仲間で、そこに貧乏な大工の子供である嗣郎を加えて、
荒れた埋め立て地の中にある秘密基地でよくたむろしていた。
ある日、五人は勇の発案で埋め立て地に不法投棄 ...
藩医三代記(星新一)
のどかな小さな藩の藩医のお話。
父。穏やかで真面目な人格者。
三人いる藩医の中で一番身分が低いが、慕われている。
医学修行のために一人息子の剣術の稽古をやめさせるが、理由をきちんと教えて納得させる。
医師が節くれ立った手をしていてはありがたみがない。
廃墟(筒井康隆)
主人公の二人は洞穴で生活している。
洞穴の外に出るのは危ない、という自覚はしていた。
二人の世界には二人しかいなかった。
食糧を集めるのは体の大きな力強い方の役目、
家である洞穴を守るのは ...
飛行具(レイ・ブラッドベリ)
空に大きな鳥のような不思議なものが飛んでいた。
それは、
「俺はやったぞ!ついにやったぞ!」
と叫んでいる。
皇帝が衛兵に命じて
「皇帝陛下の御命令である!降下せよ!」
と叫ばせると、それは庭 ...
蛇踊り(コーリー・フォード)
アメリカのとある大学近くのドラッグストアで、主人公の青年が実家に電話を掛けている。
大学のフットボールチームが試合に勝ったので、ブラスバンドとともにまもなく
なだれ込んで来るだろう。ブラスバンドの音楽がかすかに聞こえる。
スネークダンスを踊りながら通りを ...
美神(三島由紀夫)
考古学者R博士は死の床についている。
美術愛好家のN医師が付き添い、献身的に看護している。
寝室には、かつてR博士が発掘した大理石のアフロディテ像が、美術館から特別に運ばれた。
死期を悟ったR博士のたっての願いだったのだ。
R博士はアフロディテ像を ...
花輪の海(横山秀夫)
10年前くらいに読んだからうろ覚えだし他の話とも混同してるかも。
大学に入って先輩に誘われるままに空手部に入ったが、実はめちゃくちゃ厳しい。
先輩のパシリにされ理不尽に殴られ、かといって部を辞めれは大学に居られなくなる。
合宿は地獄だった。最 ...
プルトニウムと半月(沙藤一樹)
原発が暴走して汚染地域となった「ハーフムーン」で生きる主人公をたくましく描いた作品。
ハーフムーンは、僅かな人が住んでいる他、
自殺志願者や暴走族みたいのがたむろしている世紀末な場所。
主人公には双子の妹がおり、以前は裕福に暮らしていた。 ...
フランケンシュタイン(メアリー・シェリー)
Aはわけあって犬ぞりでここまできたのだが、
過酷な環境の中で犬たちが次々と死に、ついには割れた氷の上に一人取り残され難儀していたのだという。
衰弱死寸前だったAは船の中で数日眠り込んでいたが、目覚めた後に、人を追ってここまでき ...
二人の王様と二つの迷宮(ホルヘ・ルイス・ボルヘス)
バビロニアの王様が魔術師や建築家に命じて、素晴らしく手の込んだ迷宮を作らせました。
ある日のこと、アラビアの王様が王宮を訪ねてまいりました。
バビロニアの王様は純真な客人を愚弄するために、迷宮に招き入れました。
アラビアの王様は日 ...