飛行具(レイ・ブラッドベリ)
- レイ・ブラッドベリの初期の短編ある早朝、支那の皇帝が庭に出ると、
空に大きな鳥のような不思議なものが飛んでいた。
それは、
「俺はやったぞ!ついにやったぞ!」
と叫んでいる。皇帝が衛兵に命じて
「皇帝陛下の御命令である!降下せよ!」
と叫ばせると、それは庭に降りた。降りてきたのは、竹に紙を貼ったグライダーのようなものを装着した男である。
男は皇帝の命令に応じて、鳥のように空を飛びたいとずっと思っていた、
実験成功、皆は自分を気違いだと思っている、と答えた。
皇帝は死刑を言い渡した。抗議する男に皇帝は、何者かが万里の長城に
空から石を落としたら我が国はどうなる?と答えた。
男は殺され、グライダーは燃やされた。
衛兵は、早朝で空が薄暗いので何も見ておりません。と答えた。終。
- >>553
新の王莽の頃に偵察目的でハンググライダーもどきを売り込んだ男の話を思い出した。
そっちは御前飛行で数百歩飛んだら墜落したそうだが。