春の寓話(星新一)
-
394:1/2:2014/03/10(月) 20:58:29.40
- 星新一「春の寓話」
エル氏は散歩中小鳥に話しかけられた。
聞けば、小鳥は元はこの地方のお姫様、美しさを妬まれ小鳥に変えられてしまったとか。呪いの期限が終わるので術を解いてほしい、
高価な材料が必要だが埋蔵金の小判の在処を知っている、
あなた様なら小判を盗んで逃げるような卑怯な真似はなさいますまい、
と美しい声でさえずられ、エル氏は一肌脱いでやる事にした。独身のエル氏がプロポーズしてみると、小鳥は
「わたくしごとき者でよろしければ一生お仕え申し上げますわ」と答えた。
こすっからく騒々しい現代女性と比べて、なんと優雅な事か。
-
395:2/2:2014/03/10(月) 21:00:59.76
- 小判を売って手に入れた高価な材料を使って呪いを解く儀式を行うと、
香を焚いた煙の中から五色の着物を着て顔を伏せた姫が現れた。声を震わせて礼を言いながら顔をあげた姫を見て、エル氏はがっかりした。
この程度の顔ならいくらでもいるではないか、昔は美の基準が違っていたのだろうか。姫はエル氏にしつこく付きまとった。いじめても罵倒しても離れない。
呪いを解いてもらった恩人にお仕え申し上げる義務がある、と信じ込んでいるのだ。エル氏は小判を売った余りの金で、姫を精神病院に閉じ込めた。
医者は、木の芽時ですからな…とエル氏を慰めた。教訓。女の自惚れは海より深い。
-
396 :本当にあった怖い名無し:2014/03/10(月) 23:09:14.34
- >>395
人間に戻す前に簡単にプロポーズする方も方だと思うけどなあ。
-
397 :本当にあった怖い名無し:2014/03/10(月) 23:15:17.64
- 鳥にプロポーズできる人間の美の基準も大してアテにはならなさそうだな
というか実際に呪いを掛けられてるんだったら自惚れでもなんでもないんじゃあ
-
399 :本当にあった怖い名無し:2014/03/10(月) 23:29:02.18
- >>394
凄いブスってわけでもなく「うわ。フツー」て感じだったんだろうな
-
400 :本当にあった怖い名無し:2014/03/10(月) 23:31:52.34
- つか姫は約束を守ってるだけだな
姫じゃなくてエル氏の短慮さや薄情さを面白がる話