愛を読むひと
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492 名前:愛を読む者 1/4 :2012/07/28(土) 18:26:38.47
- ケイト・ウィンスレットがオスカーをとった映画、「愛を読む者」
多分50か60年代頃のドイツ。
主人公の少年マイケルは家路の帰りに酷い吐き気をもよおし、道で休んでいる所を30頃の女性に介抱される。
女性は頑なな性格のようで、気は強いが根は優しい性格。
その後も女性に興味を持ったマイケルは、女性が電車の切符切りとして働いている様子を
遠目から確認したりと、じょじょに惹かれていく。
女性はマイケルを子ども扱いしながらも、まんざらではない様子で2人は大人の関係を始める。
マイケルは、裕福な家庭の何番目かの子息で学校が終わるとすぐ女性のアパートに走る生活を始める。
女性のアパートは小さくみすぼらしく、最低限の生活のようだったが
2人はそこで何度も睦みあう。
女性はハンナと名乗りいつもマイケルに本を朗読するように言い、マイケルは楽しそうに学校で勉強している
本などをハンナに読んでいた。
ハンナはうっとりとそれに聞き入るのだった。2人はマイケルの案で田舎の教会にサイクリングの旅行をしたりして、一夏を過ごしたが
秋が近づくある日、マイケルがハンナのアパートに行くと中はもぬけの殻だった。
マイケルはハンナを強く思っていたが、ハンナは大人の対処で決して心を開く事はなかったのだ。時が過ぎ、マイケルは法律を学ぶ大学生となった。
ある日、教授と他の学生と共にある裁判を聴講しにいく。
それは、ホロコーストの生存者が書いたある本を元に、ユダヤ人収容所で看守として
働いていた女性達を裁く裁判であった。
教授、同級生らと共に聴講席に軽い気持ちで座っていたマイケルは
被告人の女性の一人の名前を聞いて凍りつく。
その名前はまぎれもなくあの一夏の女性の名、ハンナ・シュミッツだった。
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493 名前:愛を読む者 2/4 :2012/07/28(土) 18:27:35.35
- 収容所の元看守として疑いを掛けられていた女性達は6人程いたがハンナ以外は全て否認していた。
ハンナは収容所での仕事内容を細かく発言し、裁判官に詰め寄られても仕事だった、
そういう仕事だったから雇われている限りきっちりと仕事をしただけだと強く発言した。
生存者として本を書いた女性が証人として現れ、被告人全ての顔をみて証言した。
女性は、ハンナはその中でも親切で優しく、お気に入りによく本を朗読させていたと言った。当時、ある爆撃の激しい夜、ユダヤ人収容人を移動していてある教会につき
全員を看守達が教会の中に入れ外から鍵をかけたのだが
発火してしまい、一人を除いて収容人全員がなくなった。
ハンナを含む元看守達はその罪に問われ、どうして鍵を開けなかったのかと聞かれた。
ハンナは、仕事だから!鍵を開けたら全員があちらこちらに走り、秩序が守られないではないですか!
火はあっという間に回り、躊躇している間に本当にあっという間だったんです!と強く激昂した。
ナチスのその事についての報告書があり、裁判官は誰の命令で鍵を開けないのを決定したのですか?と質問した。
ハンナは看守全員で決めた、と答えたが他の元看守の女性達はハンナが決めたと同様に発言した。
驚くハンナに、この報告書の筆跡を鑑定するので、一枚の紙にあなたの筆跡を書いて下さいと言う裁判官。
長い事躊躇した後に紙を退け、決定して報告書を書いたのは私です・・、と発言するハンナ。しかし、マイケルは気付いていた。ハンナは文盲だったのだ。
いつも本を渡しても一瞥もせずあなた読んで、といったハンナ。
サイクリングに旅行した時も、昼のメニューをちらっとみて、あなたとおなじものにするといったハンナ。
彼女は自分が文盲だという事実を恥じて、それを公にするなら罪に問われる事を選んだのだ・・。
マイケルは、教授に相談する。裁判の進行を変えるかもしれない情報を持っている、と。
教授の助言を受け、刑務所のハンナに面会に行くマイケル。
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494 名前:愛を読む者 3/4 :2012/07/28(土) 18:28:57.33
- だが、途中で気が変わり会わずに帰ってくる。
強情なハンナが気を変えるとは思えない。自分が説得出来るのか。
どういう顔をすればいいのか・・。自分の事を覚えているかも分からない・・。他の元看守は数年の罪に問われたが、ハンナは殺人で終身刑を命じられ裁判は終わった。
荒れるマイケル。
自分はどう動けば良かったのか・・。十数年が過ぎ、妻と上手くいかなくなったマイケルは娘がいたが離婚した。
ハンナとの思い出が辛く、実父の葬式にも帰って来なかった地元に久しぶりに帰り
昔の荷物を整理するマイケル。
ハンナに朗読した本や彼女の事を書いたノート、詩を感慨深く読んでいる時に
刑務所のハンナに本を朗読したテープを送る事を思いついた。
当時彼女が好んでいた本を次ぎ次ぎとテープに収めるマイケル。
刑務所のハンナ(多分60歳位)は、真っ白になった頭で珍しく自分宛に郵便がある事を訝しがる。
不思議な面持ちで荷物を開けると、沢山のテープ。
自室で、不可解ながらもテープを聴くと、とたんに顔が明るくなった。
あの子だ!あの本だ!
彼女は次々とテープに聞き入る。マイケルは何度も何度も沢山のテープの荷物を送った。
ある日、ハンナはマイケルが送ってくれたテープの一つと同じ本を
刑務所内の図書館で借りる。
そして部屋に戻り、テープを聴きながら本の文を一文章毎確認する。
分かる!この文字はこれだ!
ハンナは自力で字を勉強する。
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495 名前:愛を読む者 4/4 :2012/07/28(土) 18:29:53.62
- マイケルにハンナから手紙が来た。
たどたどしい短い文に、感謝の意が込められていた。彼女は自分を覚えていた。
しかし、マイケルは決して返事を書かなかった。
自分はどうしたいのか?何がしたいのか?
ハンナから何度も手紙が来、返事が欲しいと書いていても無視しながら
自分が何をしたいのか分からないまま、テープを送り続けていた。刑務所のソーシャルワーカーから、マイケルに電話が来る。
ハンナは20年実刑を受けてそろそろ出所するが、コンタクトはあなたしかいない。
外に出るのを恐れている。どうかあなたに彼女の出所後を手助けして貰えないだろうか・・。
マイケルは悩むが、結局受け入れやっと初めてハンナに面会に行く。
刑務所の食堂で向き合う2人。
真っ白な頭のハンナに戸惑うマイケル。ハンナは嬉しそうに大人になったわね!とマイケルに笑いかける。
ハンナは、マイケルが自分の事を思ってくれている、と期待していたが
マイケルはそれをきっぱり否定し、自分はあなたの職場と住む所の世話はしっかりするつもりだから
と冷たく伝える。
あなたは刑務所で過ごして、あなたの罪に対して何を感じたのか?何を学んだのか?
と尋ねるマイケル。
ハンナは激昂し、私が何を感じようが、死者は死者なのよ!関係ない!・・・・・ここでは字を学んだわ。
と答える。
マイケルは、諦めたように、じゃあ、来週迎えに来るから、と去る。
その夜、ハンナは自殺した。ハンナは、なけなしのお金を貯金していて遺書でマイケルに本を書いた生存者に託すように書いていた。
貯金はユダヤ人の子供達の文学を助けるチャリティに行く事になった。
彼女の死後にどれだけやはり自分はハンナを愛していたかを自覚したマイケルは
サイクリングで彼女が聖歌にとても感動して泣いていた教会にハンナの墓をたてる。
そして彼女の話を今は成長した娘に墓の前でするのだった。おわり。
最後、父親の恋愛を話されても娘は困るのではないだろうか・・と後味が悪くなりました。
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496 名前:本当にあった怖い名無し :2012/07/28(土) 18:51:05.80
- マジ泣けた
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497 名前:本当にあった怖い名無し :2012/07/28(土) 19:05:08.92
- 他の被告女性達は、ハンナが盲目なのもそれを隠して罪を認めることも分かってて口裏を合わせたってことなのかね
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498 名前:本当にあった怖い名無し :2012/07/28(土) 19:35:27.85
- >>497
盲目じゃなくて文盲
日本じゃ殆どの人が文字を読み書きできるから馴染み無いが、世の中には文字を読み書きできない人もいる
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501 名前:本当にあった怖い名無し :2012/07/28(土) 19:52:03.91
- >>497
498さんも書いてますが、盲目じゃなくて文盲の事ですよね?
私は原作も読んでいないし、映画内では特に他の元看守たちの思惑は触れていませんでした。
生存者が証人としているのに、まずは否認していたし
そういう中でハンナが躊躇せず認めてどんどん曝露していくのを
唖然とみていたので、全部罪をなすりつけちゃえとりあえず、な感じには見えました。ここにいる皆さんも同じだと思いますが、自分も本が大好きなので
ハンナが本がとても好きなのに、読めないというのにじんと来ました。
マイケルが読む本に真剣に聞き入り、時にわんわん涙を流すハンナ。
そして、当たり前に読んで書いて様々な本を楽しめるという事は、
実は凄い事なのだなあ、と映画をみて数日たつのに忘れられません。
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502 名前:本当にあった怖い名無し :2012/07/28(土) 20:48:03.49
- この映画みた。
娘に母親以外の女性の話をするなよ、と俺も思った。
一緒にみた彼女は中途半端な優しさなんかいらん!ハンナがどれだけ傷ついたと思ってるんだ!と、
主人公をボロクソに言いつつしばらく凹んでた。
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504 名前:本当にあった怖い名無し :2012/07/28(土) 21:35:17.56
- ハンナは傷ついたかもしれん
けどてめぇの何十倍もの罪なき老若男女を火事の中閉じ込めて
虫けらみたいに焼き蒸し殺したことも事実
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505 名前:本当にあった怖い名無し :2012/07/29(日) 01:55:31.24
- >>495
マイケルどーしょもなさすぎてムカついた。
裁判で助言しない弱さも、中途半端な優しさも、慌てて突き放す冷たさも。
後になって愛してたって気がついたとか言われてもねえ、、しかも勝手に良い思い出にして語るとかどんだけ自己中なんだと。
ナイス後味悪です。
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506 名前:本当にあった怖い名無し :2012/07/29(日) 02:24:30.12
- >>505全文同意。
しかも、マイケルやその家族はドイツ人の役者なのに、なぜかハンナだけイギリス人の役者なのがなんか嫌だ。
ケイト・ウィンスレットは大好きなんだけど。
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507 名前:本当にあった怖い名無し :2012/07/29(日) 07:11:12.93
- 文字が読めないってのをハンナは知られたくなかったんだっけ。
マイケル、何もせず放っておいてあげりゃよかったのに。