PARADE(中村明日美子)

818 名前:本当にあった怖い名無し :2012/09/13(木) 01:33:14.16
ゴスロリ雑誌に載ってた中村明日美子の短編漫画が後味悪かった。

豪華な輿に乗ってお姫様が外国に嫁ぎに行く。
後方には鎖で繋がれた罪人(鉄仮面をつけられて殆ど片目しか見えないが、
黒髪で耽美なイケメンっぽい)が彼女の衣裳の裾に刺繍をしている。

嫁ぎ先の国にはしきたりがあり、祖国から嫁ぎ先へ移動するまでの期間に
めっちゃ長い婚礼衣裳の裾に花嫁の証の白い刺繍をしなければならない。

光と闇、善と悪、男と女のように、世界の全ては対で成り立っているという世界観の下で、
花嫁の穢れを取るという意味を持つその刺繍は、光であり善であり無垢である
花嫁と対照的な存在である罪人が行うことになっている。
闇であり悪であり、穢れである罪人から出た物は対にして善であり、
また刺繍を通じて花嫁の穢れは罪人へ流れてゆくという。
砂時計のようだと姫は思う。


819 名前:2 :2012/09/13(木) 01:33:51.06
姫は従者に罪人の名を尋ねるが、従者は彼に名など無く、
また死にゆく者に名など必要ないと答えた。
罪人は刺繍を完成させた後、漆黒の穢れとなって処刑される予定らしい。
従者は余計な事は気にせず婚礼のことだけを考えよと言うが、
姫は顔も知らない40も年上(姫は14歳ぐらい)の
結婚相手の事なんか想おうにも想えない。

夜になって姫は罪人の居る檻へ行き、名前やどのような罪を犯したのかを尋ねるが、罪人は喋れないのか何も答えない。

顔も知らぬうんと年上の相手に嫁がされ自由を奪われる自分と罪人は立場はそう変わらないのではないかと姫は思う。
万物が対であるとすれば、刺繍を通じ善と悪を共にしている自分たちこそが1個の存在なのではないか、
お前もそう思わないかと罪人に語っていると従者に見つかり、
彼の穢れが移ると大騒ぎして引き離し慌てて禊の準備をする彼等を前に、
彼女はどれだけの者が彼と比べて穢れ無き者だと言えるのか、滑稽だ、と思う。


820 名前:3 :2012/09/13(木) 01:35:25.29
輿は嫁ぎ先の城に到着し、麗しく穢れなき姫を祝福する。
結婚相手のオッサン(顔はよく見えないが姫の表情的にあまりいい男ではないっぽい)を前に、姫が覚悟を決めて
差し伸べられた手を握ろうとした時、まだ切られていなかった刺繍の糸が引っ掛かる。
詫びを言い(罪人喋れたっぽい)糸を切ろうとする罪人を姫は切るな!!と大声で制止し、
罪人に駆け寄り二人は口付けを交わす。
ポカーン状態の結婚相手や家来や客を尻目に走り去る二人。
お姫様だっこされた姫が、「お前の名を教えておくれ」と言ってラスト

まぁベタな話なんだが、どう考えても二人は逃げ切れないだろう、というのも後味悪いんだがそれ以上に、

そもそも罪人が何をしたのか全く明かされていなくて全然性格も分からないため、
冤罪や、政治犯とかの国にとって都合が悪いだけの罪人とかならともかく、
泥棒や殺人犯とかのただのロクデナシである可能性が高い、むしろ刺繍の性質上、物凄い極悪人だと考えるのが自然で、
片や結婚相手の王様は年上で見た目が良くないぐらいで別に特に欠点が描かれて無かったのがモヤモヤする。

仮に王様がこの手の話にありがちな好き者のロリコン変態野郎だったとしても、成人男性である罪人もロリだし…
穢れがどうとかいいながら、ちゃっかり綺麗なイケメンを選んだ話にしか見えず、
もし王様がイケメンだったら姫様あっさり結婚してたんじゃないの?って思わせてしまうのが後味悪い。
掲載がゴスロリ雑誌だったこともあって、
なんか夢見る乙女のロクでもない側面や排他的な部分が滲み出してる感じがしてウヘア('A`)と思った。


827 名前:本当にあった怖い名無し :2012/09/13(木) 06:43:25.63
>818
お姫様の自己陶酔と自己中ぶりがゴスロリにはウケるんだろうなあ。
犯罪者の鼻が胡座とか口元ゴボォとかならいいのに

 

LE THEATRE DE A ~Aの劇場~
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