モーリスとネコ(ジェームズ・ハーバート)

730 名前:本当にあった怖い名無し :2012/11/30(金) 01:10:05.18
ジェームズ・ハーバート「モーリスと猫」動物虐待注意。

キナ臭い世界情勢を見て、平凡なサラリーマンのモーリスは庭の地下に一人用の核シェルターを設置した。
ロンドンが核で破壊されたので、彼はシェルターに逃げ、隣人たちの目の前でハッチを閉めた。痛快。

シェルターには野良猫が一匹隠れていた。物資を搬入する隙に潜り込んだのだろう。
猫は変人のモーリスにちっとも馴れなかった。

別れた妻への絶え間ない愚痴にキレた猫は彼を襲い、逆にフライパンとヤカンで撲殺された。

猫の死骸は袋ごと簡易トイレに突っ込み、消毒液と消臭剤をたっぷり注いだが、やはり臭ってきた。
数日後、大きな地響きがした。
そして、換気装置もバッテリーも異常がないのに、酸素が薄くなってきた。
例の地響きは、家が倒壊して換気口を塞いだのかもしれない。
政府の広報では、数ヶ月避難するべきだが放射性降下物は2週間で落ち着くのだ。
彼はハッチを開けた。

目の前というか上に、自宅のコンクリ壁が倒れている。
数トンのコンクリを壊せる工具はない。
窒息死するモーリスの最後の台詞は「猫なんか嫌いだ!」

 

ナイト・ソウルズ (新潮文庫)
ナイト・ソウルズ (新潮文庫)