マニアック・コップ
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508:本当にあった怖い名無し:2013/12/02(月) 09:03:58.78
- マニアックコップ。
テレビ放映時のタイトルは地獄のマッドコップ。警官の姿で獲物を安心させておいて襲いかかる犯行が印象的な映画。
ホラー映画ではよくある事だけど、殺人鬼であるマニアックコップの設定が案外物悲しい。
ホラーだから後味悪くて当然って部分はある程度省略して、
殺人鬼の境遇から書いてるから実際の映画と少し印象が違うと思う。アゴはごついが優秀な警察官マット・コーデルは、
訊く前に撃てという古き良きスタイルで、
テロリスト、マフィア、強姦魔など様々な凶悪犯を射殺して来た。
マスコミもそんな彼をスーパーコップと祭り上げて報道する。
荒っぽいが根は優しい彼は資料室で自分の活躍が載った記事を見るのが好きだった。
また、同僚のサリーという婚約者もいた。ある時、コーデルは政治家と犯罪組織の繋がりを掴み、捜査に乗り出した。
それを煙たがった市長は彼を始末するため警察と検察に圧力をかける。
コーデルの数々の行為は容疑者への人権侵害として罪に問われた。
さらに市長の息のかかった裁判官によって有罪判決を受け、刑務所へ送られてしまう。
しかもその刑務所には、かつてコーデルが手荒く逮捕した犯罪者が何人も服役していた。
普通は警官を他の囚人と同じ房には入れないが、
彼は意地を張り、隔離されるのを嫌がった。(真偽は不明だが)その結果、一人でシャワーを浴びている時に三人がかりでのリンチを受ける。
モヤシ三人相手に全裸レスリングで奮闘するマッチョなコーデルだったが、
相手は工具や刃物を持ち込んでいた。
二人を相手にする間に背中を刺されて倒れ、そのまま滅多切りで殺される。
特に顔はズタズタに切り裂かれた。また、コーデルの末路を予期してか裁判の後にサリーも飛び降り自殺を図り、
一命は取り留めたが片足が不自由になった。
死後に刑務所内の診療所に運び込まれたコーデルだが、
検屍を行なっていた医師は、彼にまだ脈があり、心臓もかすかに動いているのに気付く。
医師はコーデルがいい警官なのを知っていたので治療を行うが、
脳が損傷していて死人同然で、回復の見込みもない。
(偽らずに死亡診断書を出せるほど)
それでもこのまま房に戻せば今度こそ殺されると考えて、
サリーに協力し、生きたまま棺に入れて持ち出させた。
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509:本当にあった怖い名無し:2013/12/02(月) 09:13:12.73
- それから数年後?
(パケ裏にはそう書いてあるが、劇中ではどれくらいの期間か明言されておらず
サリーが「みんなのお袋さん」と呼ばれるぐらいの年配になってる事を考えると
十数年後の間違いか、コーデルがおばさん趣味だったか)どういうわけか動けるようになったコーデルは
再び警察官の制服に身を包み、夜の街で罪のない人々を殺し始めた。
体とアゴのでかさは相変わらずだが、その行動も肉体も以前の彼ではない。
今や憎しみだけで動く彼の手は氷のように冷たく、犠牲者に凍った死体を思い起こさせた。
生身の体だが、銃弾を体や頭に受けても死なず、
顔面には一度死んだ時に受けた無数の傷が口を空けている。
(ゾンビだと察してほしいらしい。塹壕の凍った死体の例えはラリー・コーエンの得意技)殺すなら悪人だけにしてくれというサリーの制止も意に介さず
犯行を重ねる内に市民達は警官への不信と恐怖に怯え、
警官がバッシングされる社会現象や、
無関係の警官が犯人と勘違いされて射殺される事件まで引き起こす。このままではコーデルに捜査の手が回ると恐れたサリーは、
若い同僚のテレサから不倫相手の事を相談されたのを利用し、
不倫のために度々制服を着て家を抜け出す不倫相手のジャック(主人公)を
犯人に仕立て上げようと工作する。
コーデルもそれに乗り、ジャックの妻を殺して彼が逮捕されるよう仕向け、
テレサの口も封じようとするが
ジャックの告白からテレサにたどり着いたベテラン刑事マクレーに阻まれた。さらに潜伏していた倉庫にサリーが会いに来た所を尾行され、
コーデルの名を呼んでいるのを目撃される。
そこから芋づる式にコーデルの正体とサリーとの繋がりまで突き止められてしまい、
追い詰められそうになったコーデルは、ジャックが拘束されている警察署に乗り込んで、
邪魔なマクレーと用済みになったサリーを始末し、
その罪をまたジャックに着せようと動きだした。そのためにコーデルが取ったのは、
なんとジャックとテレサ以外を片っ端から殺して回るという乱暴な方法。
よっぽど静かにやったらしく、マクレーが気付いた時には署員はほぼ全滅で吊るされていた。
今までずっと助けてくれたサリーが
「あの人に殺されたくない!愛しているの!」と泣き叫ぶのも構わずに殺し
老いたマクレーも持ち前の怪力で振り回した後に転落死させた。
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510 :本当にあった怖い名無し:2013/12/02(月) 09:18:21.64
- こんな豪快なやり方だったが、不倫カップルが危険を感じて脱走し、
マクレーも単独で動いていたため、
状況から警察も不倫カップルが署員を殺して逃げたと思い込む。
不倫カップルはコーデルのいた刑務所で情報を得ると、
近々行われる警察の式典に紛れてコーデルが市長や上層部を狙うと考え、
警告しようとするが、死人がどうこうという話を信じてもらえずテレサが捕まる。さらに、特徴的すぎる見た目のくせに神出鬼没で
毎回なんでもお見通しなコーデルは手薄になった署内に潜んでいて、
昔の上司達に復讐し、テレサまで殺そうと迫る。
色々あってテレサはアゴから逃れたが、今度は助けようとしたジャックが捕まり、
「マニアックコップ逮捕!」と護送車にぶち込まれる。が、なんとコーデル、姿を現してみずからその護送車を強奪。
罪を着せた意味がまったく無い。
荒ぶった運転で車や人をどんどん巻き込みながら
ジャックを乗せて隠れ家の倉庫へ連れ込んだ。格闘するコーデルとジャック。
ここで視聴者にコーデルの傷だらけの顔が明らかにされる。
(ゆうてもちょっと特殊メイクしたおっさんが唸って怖い顔してるだけ。それまではノーメイク)
そこにカーチェイスして来たテレサと銃撃戦してる内に応援のパトカーまで到着し、
今さら逃亡を謀るコーデルだがジャックに邪魔されて車ごと串刺しになって海に突っ込んだ。
その後、引き上げられた車の中にコーデルの死体は見つからなかった。
桟橋の下からコーデルの手が這い上がろうとする所で映画は終わる。
(テレビ放映とDVDではこの後にコーデルが市長に復讐を遂げるシーンが追加されている)
(しかし本来は市長が登場するのは続編の2)
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511 :本当にあった怖い名無し:2013/12/02(月) 09:20:57.67
- 続編でさらに嫌な後味になるんだけど長くなったのでここまでで。
マニアックコップがしてる事を考えると、けしてそんなに同情はできないんだけど、
もとは正義感のある警官だったコーデルがお偉方の陰謀のせいで殺され、
憎しみのまま無差別に人を殺す化物になって
恋人にまで手をかけてしまったって部分は悲しくてトラウマ。潜伏中のコーデルが虚ろな目で夢に見る、
自分が殺されるまでの回想で流れる淋しいBGM(1のEDでも流れる)も相まって、
彼の救われない悲哀を感じさせた。まぁその曲も2で失笑もののマニアックコップラップ(ネタとしか思えない)に
アレンジされて怖さ半減。
悲惨な過去のわりに全体を通してキャラがぶれて見えるのは、
コーデルがとっくに悪の道に堕ちてるからだと思われる。ちなみに、コーデルを演じた役者ロバート・ツダールは
同時期のデッドフォールという映画で、
コーデルがされたのと全く同じような事を主人公の刑事コンビにする役をやってる。
(冒頭で主人公に逮捕されて刑務所送りにされる。
その後コーデルと同じように検察にはめられた主人公達が
同じような構図で囚人と同じ房に入監して来るのを、囚人側として出迎えて、
復讐のためにリンチしたり殺そうとするが最終的に返り討ち)顔が(アゴが)特徴的な人なので簡単にわかるし、
見比べるとコーデルとの対比で笑えてしまう。