カレーライス
-
329 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/09/23 11:24
- それは、昔々のお話です。
ある所に、親に捨てられた可哀相な少年が居ました。
少年は生きる為に仕方無く乞食をしていましたが、人間のプライドだけは失うまいと、
彼なりに誇りを持って生きていました。そんな彼に、1人の貴婦人が声をかけます。
少年を哀れに思った貴婦人は、お腹を空かせた彼の為にカレーライスを作り、
それを優しく微笑みながら少年に差し出したのでした。しかし少年はそれを見た瞬間、貴婦人の差し出したカレーライスを撥ね付けると、
怒りに満ちた形相で貴婦人を見据えました。
何が何だかさっぱり解からないといった表情の貴婦人に対し、少年は声を荒げました。「ふざけるな!馬鹿にしやがって・・・!幾等食べ物が無くたって、糞なんざ食えるか!」
不幸な事に、貧しい生活を送って来た少年は、カレーという食べ物を知らなかったのです。
優しくカレーライスを差し出す貴婦人が少年の眼には、「自分を馬鹿にして糞にまみれた飯を差し出すゲス野郎」
に映ったのでしょう。
悔しさと悲しさで一杯になった少年は、その場から逃げる様にして駆け出し、
2度とその街に姿を現しませんでした。