最上殿始末(手塚治虫)

406 名前:その1 投稿日:2005/06/29(水) 04:01:23
たぶん手塚治虫のマンガだと思うんだけど、
ある武将が暴君で、身の安全を図る為に影武者として、
自分によく似た領民の男を拉致監禁。
男は命じられるままに、武将としての嗜みを叩き込まれて、
顔つきまできりっとして、武将が気味が悪くなるほど似て来る。
ある時、男はすでに自由自在に乗り回せるようになっていた馬に乗り、
家に置き去りにしたままの女房に会いに行くと、
あろうことか家は丸焼け、近所の人に話を聞いてみる。
(近所の人も男が武将だと信じ込んでビクビクしてる)
いつだったか侍連中が男を連れ去った後に火をかけて、
女房もその時に焼死したらしい。武将をはじめとして侍たちは、
「そのうち家にも返してやるし、女房も生活に困らないように
してやるから安心しろ。」と言ってたのに、
嘘をついて女房を殺したのだと男は復讐を誓う。

407 名前:その2 投稿日:2005/06/29(水) 04:02:41
取りあえずこっそり武将を殺した男は、
周りの者には「無礼があったから男を殺した」ってことにして、
自分が武将として生きるんだけど、
武将の妻だけは偽者と気付いてしまう。
気付かれたとしても、誰も信用しないとたかをくくった偽武将は、
嫌がる武将の妻に、無理矢理夫婦の営み強要して高笑い。
そのうち大人しくなった武将の妻だが、
ある晩、ことの最中に毒を飲んで自殺。
後追いしたかとせせら笑っていた偽武将だったが、
数ヶ月後に武将の妻に、すでに復讐されていた事に気付く。
武将の妻はわざと性病にかかった身分の低い男とこっそり寝て、
病気を自分に伝染させていて、偽武将もしっかり感染していた。
お城の奥深く、暗い部屋でひとり座り込む偽武将が、
鼻がもげた顔で振り返るのがラストシーン。

男も武将の妻も悪くないのになー、
悪いのは嘘つきな武将なのになーと、
後味悪かったんだけど、それ以上にもやもやしたのが、
影武者になった男の名前が「しょんべ」で、
女房の名前が「うんこ」だったこと。
手塚治虫って偉い漫画家さんなのに、
なんでこんな適当な下品な名前をつけるんだろうと、
違った意味で後味が悪かった。


408 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/06/29(水) 04:17:04
>>406-407
うわっ懐かしい、読んだ読んだこれ。子供の時だったんで、
ラストの梅毒症状の顔がものすごく恐かった。
手塚後味悪時代劇の中でもダントツだとオモ。
ネーミングについては、手塚治虫は「そんな事しないでも良いのに」と
言うほど、その時々の流行をどん欲に取り入れてたと聞くから、
「トイレット博士」とかが流行っていた時期なんじゃ?
結果として、若干作風にそぐわない、後味悪い効果も生まれたのでは。

409 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/06/29(水) 10:16:15
>>407
そうそう。私も名前ばっかり覚えてる。
影武者の男と女房が社会的にいかにもどうでもいい存在ですよって意味で適当につけたんだろうけど
話の内容よりもそっちのほうがインパクトあるのはちょっとどうかと思う。

 

火の山 (手塚治虫漫画全集 (265))
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