怪談雪女郎(石ノ森章太郎)
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245 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/01/25(水) 21:46:22
- むかし読んだ、サトリの化け物系の後味悪かったマンガでも。
まあ、サトリの化け物と言っても、雪女なんだけど。
タイトルは確か「雪女郎」。作者は、改名前の石森章太郎。
ある青年が、出張の足代を浮かすために山道を徒歩で歩き、吹雪に巻き込まれる。
もうダメかと思った時、目の前に一件の家が。
命が助かったと、涙を流して喜ぶ青年。中に入れてもらうと、
意外にも和服姿の美しい女性が一人で住んでいる様子。
さて、いろりの火でぬくもった所で、女性は、頼み事があると言ってくる。
命の恩人なので話を聞くと、彼女は雪女郎だという。
人間の男に心から愛して抱いてもらった時、人間になれるという。
頼みとは、要するに、寝てくれと言うこと。ただし「心から愛して」。
とたんに、純朴そうだった青年の表情が一変。好色そうに、喜んで引き受けようと言う。
「いくらだい?ここが売春宿だったとはね!」
怒りを見せる女性に、青年は一応謝るが、
心の中で「何だよ。じゃ、亭主に死に別れて男が恋しい後家さんかい?」と毒づく。
ところが、青年の思ったことは彼女に筒抜け。
驚く青年に、彼女は「これで信じてくれましたか?」と訊ねる。
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246 名前:245続き 投稿日:2006/01/25(水) 21:51:59
- が、もともと青年は現実主義者。
読心術の一種と決め込み、面倒になって女に飛びかかる。
「俺は金以外信じない。女も信頼だって金で買える。それが現実ってもんなんだ」
心からの愛など否定する青年は、身体の喜びを教えてやる、と彼女を組み敷く。
と、周りの部屋が消えて行く。次第に真っ白に、冷たい感じになっていく背景。
女性を組み敷いた青年。そのそば立って、冷ややかにその光景を見下ろしているのは、
青年の下にいるハズのその女性…
何もない吹雪の中で、青年は倒れ、冷たくなっていた。
「私が望んでいたのは本物の愛。
あなたが心から愛してくれたなら、最高の幸せをあげられたのに…」
涙を流しながら、雪女郎は雪の山へ消えていったのだった。おしまい。青年の過去にもいろいろありそうだが、描かれていない。
青年も青年だが、雪女郎の言い分もずいぶん勝手。
美男美女のキャラクターだけに後味悪かった。
異種間のコミュニケーションて大変だ。
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252 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/01/25(水) 23:19:09
- >異種間のコミュニケーションて大変だ。
ラスト一行で笑い話じゃないかw