もしもしこちらは…(三浦みつる)

94 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/10(月) 19:27:11
いたずら電話で思い出したけど、
三浦みつるのデビュー作「もしもしこちらは…」。
少年2人、少女一人の仲良し3人組が、退屈しのぎにいたずら電話を始める。
デタラメな番号をかけて相手をからかうつもりが、妙な倶楽部の受付にかかり、
なりゆきで会員登録。定期的に、退屈をまぎらわす面白いものを送ってくれるという。
ところが、それから自分の分身が際限なく出てくる鏡とか、
爆弾のしかけられたコンビナートのミニチュアとかが届き、そのたびに騒動が。
しかも爆弾騒ぎの時は、ミニチュアが爆発すると同時に、
そのモデルとおぼしき実際のコンビナートも大爆発を起こして大変な事に。
確かに刺激はあるが、もういやだと落ち込む三人に、最後の荷物が届く。
開けてみると、吸いまれそうに美しい地球の模型。
だがコンビナートの一件を思い出し、三人は総毛立つ。もう手に負えない……。
20年ほど後。地球の模型は、科学的に管理された研究所で厳重に守られていた。
少年の一人が科学者となり、残りの2人も協力して、
人生をこの模型の管理に捧げたのだ。今日は久々に3人そろい定期チェックの日。
ところがちょっとしたミスで、模型の入ったガラス箱が落ちてしまう。
床に落ち、粉々にくだける模型。絶望の叫びを上げ、床にふせる三人。
だが何も怒らない。こわごわ床を見ると、壊れた模型の間から何かのぞいていた。
それは一枚の紙切れ。そこにはこう書かれていた。
「イッヒッヒ。長らくご苦労さまでした。これはただのオモチャだよ!」

 

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