サクラチル(望月花梨)
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340 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/05/04(木) 12:46:57
- 望月花梨の短編「サクラチル」
少年はクラスメートの、少し儚げな感じの少女に恋していた。
ある日、少女が入院したとの報せが届く。
男性教師との心中の末、教師だけが死に少女は助かったという。
長い入院の末もう見る事もないだろうと思っていた少女が学校に戻ってくる。
皆が引いてる中、少年は少女に積極的に近寄る。
少女は以前にもまして儚げでどこか厭世的な感じだがやがて少年に心を許していく。少女と教師は親戚で、幼い頃から恋しあっていたという。
教師と生徒という関係になってもそれは変わらずドライブに行ったりした。
いつものように二人で車に乗っていると教師が言った。
見合いをする事になった、父の勧めできっと断れないと。
いっそ一緒に死のうかという教師に、それもいいねと少女は答えた。
気付くと少女はシートベルトをつけていたはずなのにガラスを突き破って車外に投げ出されていた。
少女にはかすり傷しかなかったが、車の中で教師は既に死んでいた。
暗闇の中で桜が舞い散り、どこからか救急車のサイレンの音がした。
立ち直ろうと思いながらも、体が桜の花びらやサイレンの音を覚えていた。
それらを見聞きするたび少女は腕を切ったり睡眠薬を飲んだりしてしまう。
「でも死ねなかった きっと貴方がいたからね」微笑む少女。冬のある日、少年と少女はデートの約束をした。
約束の場所に向かう途中に少女は立ち止まる。
桜の木に積もった雪がこぼれ落ちる様が、まるで桜の花びらのように見えたからだ。
過去をフラッシュバックさせ呆然とする少女に向かい走る車。暗転待ち合わせの場所に向かっていた少年はどこかで救急車のサイレンが鳴っているのを聞いた。
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341 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/05/04(木) 13:06:41
- 後味わるいつか、せつないね。
なにこの教師とんだDQNじゃね?
とか思わせないのは、要約が上手いからかも。