ミノタウロスの皿(藤子・F・不二雄)
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268 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/26(水) 01:57:05
- 「ミノタウロスの皿」
主人公は宇宙飛行士で乗ってる宇宙船の故障でとある星に不時着する。
そこは地球と似た星だが唯一違うのが本来家畜である牛達が知能を持ち人間達を飼っているという点。
当初、主人公もそこの星の牛達に家畜の一匹だと思われてたんだが
宇宙船の発見により家畜の人間ではないと判明する。
謝罪と共に牛達に歓迎を受け彼の母星から迎えが来る迄この星に滞在する事が決まった。
滞在してる間に主人公は牛に家畜として飼われてる人間の女性と出会い恋をする。
主人公は彼女と仲良くなりとても楽しい日々が続いたが、ある日彼はその女性が食料牛ならぬ食料人間な事を知る。
しかも、もうすぐある立派な会に料理として出されるという。
主人公は驚き、「ここいたら君は殺されてしまう。一緒に逃げよう。」と女性に言うが、
彼女は笑って「この会の料理には私達家畜の中でも最も優れた肉を持った物しか選ばれない。
それに私が選ばれるなんて、とても名誉な事だ。」というような台詞を答える。
女性の家族(彼らも人間だから当然家畜)に言っても我が娘の栄誉を誇らしげに言うだけで話にならない。主人公は女性を何とか助けようと奔走するが上手く全くいかない。
結局最後彼女は素っ裸で沢山の群集の歓声の中、
皿に乗せられてまるでパレードのように自分が食べられる会場迄運ばれていく。
その間も女性は当然ずっと笑顔で道行く人に手を振り嬉しそうにしている。
主人公はその後をずっと走りながら「一緒に逃げよう!!」と叫びながら追いかけるが
歓声で声がかき消され彼女には届かない。
しかし女性は主人公の声聞こえないものの彼の存在には気付き、
笑顔で嬉しそうに「私は今幸せよ!!」と主人公に対し答えると会場内に消えていった…。
直接的には描かれないけど、その女性が首を切断されても意識はあり、
皆の賞賛を聞くことができるという描写で主人公が「やめろ・・・気分が悪くなる・・・」と言っていたが、同感。
その後主人公は他の宇宙船の迎えが来て、
そこで出された久々の上等なビフテキを味わいながら泣いてるシーンで完。