早く覚めてくれ

725 名前:タケオ ◆aEtf23ccVw 投稿日:2006/09/29(金) 00:00:34
西岸良平の漫画から
主人公は浪人生。受験勉強に嫌気が差し川沿いの土手で寝転んでいると懐中時計を持った兎を見つける。
兎は急ぎ足で近くの木の穴に入っていった
それを見た青年は面白がり兎の後を追っかけて木の穴に。ゆっくり暗い穴の中に落ちていく青年。
やがて着地と同時に視界が開ける。そこは元いた世界とは似てもにつかぬ世界だった。
周りは廃墟ばかり、空は黒く淀んでいた。

「ここはどこだ?」戸惑う青年。そこに襤褸布を纏った友人が現れる。
「これはどういう事だ?」「お前何も知らないのか?」
友人の話によるとある日突如宇宙人が来襲。
その数と力には地球の戦力は全く歯が立たず、人類のほとんどが死滅した。
そして生き残った人類は宇宙人が毎年行う試験に合格した者のみ、宇宙人の星で家畜程度の暮らしを貰えるらしい。


727 名前:タケオ ◆aEtf23ccVw 投稿日:2006/09/29(金) 00:02:36
その話を聞いて愕然とする主人公。家族もみな死んでしまったのか…
そして勉強の日々が始まった。毎日ひたすら勉強の日々。休みなどない。
なんとしても試験に受からなければずっと廃墟とかした地球で生活しなければならない。
解っているが…青年はそれが耐えれなかった。

ついにやけを起こす青年。
「くそ!なんでこんな事に!家に帰りたい!母の作るご飯が食べたい。なんでずっと勉強なんかしなきゃならないんだ!」
叫ぶ主人公を隣りで勉強していた友人が殴る。
「黙れ!苦しい思いをしてるのはお前だけじゃないんだぞ?くそ!もうお前などしらん!」
青年の元を去る友人。

一人嗚咽を漏らす青年。
「わ、悪い夢ならはやく覚めてくれ~!!」絶叫する青年。


729 名前:タケオ ◆aEtf23ccVw 投稿日:2006/09/29(金) 00:05:12
場面変わって病院の部屋へ。ベッドに寝ている青年。その横で医者と青年の両親が話している。
「それにしても。まさか土手で寝ている間にラジコン飛行機が頭にぶつかるなんて。」

「先生!息子は助かるんですか?」
「ええ。命に別状はありません。しかし意識はもう二度と戻るか…」

場面は戻り廃墟の街へ。雪降る中青年が一人勉強をしている。
「う…うう早く目覚めろ!」 END