くだんからの伝言(柳原望)
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512 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/10/08(日) 12:49:03
- 柳原望「くだんからの伝言」
マイナーなラジオ局が牛のマスクをかぶった少年に乗っ取られる。
少年は人質に刃物をつきつけながら、ラジオを続行するよう告げる。
身代金やら殺害やらが目的ではなく、ラジオを通して予言をしたいと言う。
少年は自分をくだんと名乗る。くだんの予言は次々と当たって行く。
晴れと予報された直後の雨、自然に決壊した堤防、古びて落下した看板など。DJはくだんの兄と名乗る少年に出会う。
ラジオの声は弟に間違いないし、弟は以前からくだんが云々と話していた。
その話を真面目に聞いたことはなかったが弟に間違いない。
しかし兄弟の母は、以前から病弱だった弟はもうそんなに行動できる体のはずがないと言う。体が弱く、成績はいいが学校にはたまにしか行けない弟はいつからかくだんの夢を見るようになった。
「幼き者お前をくだんにしてやろう」と夢の中でくだんは言う。
弟がラジオ局を乗っ取ったのは予言によって〝祭〟がしたかったから。
兄から聞いた話で学校に行った時に友達との話題に困る事はなかったが、
皆が語る、その場にいなければわからない気温などの皮膚感覚は共用できず、
弟はその事で苦しんでいた。騒動による祭が起こればずっとその話をしていられる。
最後に人が死ぬと予言した後、本来なら動けないほどに衰弱していた弟は死亡。弟の予言は全て予測でどうにかなる範囲だった。ただあまりにもタイミングが良すぎた。
それに衰弱していたのに何故あれほどまでに動けたのか。
DJたちはくだんについて調べる。「半人半牛で予言をする 数日しか生きない」と書かれていた。入院中のDJの姪(院内では話題が少ないため祭を喜んでいた)は
看護婦に「もうすぐ彼氏ができるよー」と笑顔で言う。
彼女は落書き帳に体が牛で顔が人間の奇妙な生き物を書く。
「あのね くだんのゆめをみたの」
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529 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/10/08(日) 19:08:21
- くだんになる=死ぬ
だから姪もそのうち死んでしまうのが後味悪いという話