贖罪

331 名前:1/4 投稿日:2006/10/19(木) 22:25:15
さくらミステリー?に載ってた漫画。

(主要登場人物)
主人公……優秀な弁護士。女性。息子を女手一つで育ててきた母親でもある。
息子……母と同じ弁護士になったばかりの一人息子。
青年……主人公親子が住むマンションの隣室に引っ越してきた。無口でやや陰気な感じ。

主人公は母子2人でとあるマンションに暮らしている。隣の部屋には入居者がいない。
ある日その空き部屋だった隣室に一人の青年が引っ越してきたが、
見た目からして大人しそうなその青年は主人公と目があった途端
なぜか怯えたような顔になり、そのまま逃げるように場を去った。
青年の失礼な態度に対し、まともに挨拶もできないなんて……と呆れる主人公。
息子は怪しげな隣人を「実は泥棒なんじゃないか」などと揶揄する。
とはいえ2人ともそんな不気味な隣人のことなど真剣に気にとめはしなかった。
しかしその日以降、主人公たちは隣室から聞こえてくる
青年のうなされるような声に毎晩悩まされることになる。
薄い壁でもないのに眠りを妨げるほど大きく自室に漏れ伝わるその声に苛立つ2人。
堪りかねた息子が隣室のドアをドンドン叩きながら静かにしてくれと怒鳴ると一旦静かになるが、
結局翌日にはまた同じようなことが繰り返されるので、息子もそのたびに隣室のドアを叩き文句を言う。

そんなことが続いたある日、主人公は青年が逮捕されたことを知らされる。
3人の通行人をいきなり刺した、殺人未遂の罪だった。


332 名前:2/4 投稿日:2006/10/19(木) 22:26:57
青年の逮捕に驚く反面、心のどこかでは起こるべくして起こったことだとも感じる主人公。
そんな彼女の元に一件の弁護依頼が入る。なんと逮捕された青年からの依頼だった。
主人公はひとまずその弁護を引き受けることにし、早速仕事に取り掛かる。
警察が言うには、青年は罪は認めながらもその動機などに関しては徹底的に黙秘を続けているとのこと。
被害者は年齢も性別もバラバラで、青年との接点も無い。
いわゆる無差別の犯行とみられる。幸い死者は出なかった。
弁護のために何とか動機を聞き出そうとする主人公だが、青年は「僕には言えない」の一点張りで話が進まない。

困惑する主人公はその後、青年が高校時代にひどいいじめを受けていたということを知る。
いじめとの因果関係を睨んだ彼女は青年の母校に足を運ぶ。ちなみにそこは息子の母校でもあった。
彼女たちは全くおぼえていなかったが、どうやら青年と息子は同じクラスの生徒だったらしい。
青年(と息子)の当時の担任教師にいじめのことを問い質す主人公。
しかし教師はいじめを認めつつもまともに取り合おうとせず、
誠意の無いその対応に主人公は怒りを露に教師を罵り青年の心の傷などについて切に叫ぶ。
が、そんな主人公に向け、教師は意外なことを口にした。
青年をいじめていた首謀者は主人公の息子なのだ、と。
何をバカなことをと信じない主人公。しかし教師に「かつて自分たちと息子と青年とでいじめのことについて
話し合ったことがあったのを忘れたんですかか」と尋ねられ、徐々にその時のことを思い出し始める。


333 名前:3/4 投稿日:2006/10/19(木) 22:27:54
教師の言った通り、主人公は息子の高校時代に
青年(当時高校生)に対するいじめのことで学校に呼ばれたことがあった。
しかし当時の彼女は息子可愛さから教師の言うことを嘘だと決め付け、
更にいじめの被害者であった青年に向かっても
「うちの息子に何の恨みがあるのよ!」と罵倒の言葉を浴びせていた。
実際にいじめの首謀者だった息子はその呼び出しの後、同じくいじめに加担していた他の同級生と共に
以前よりも酷い暴行を青年に加え、更に次またチクったら殺すからなと刃物を青年の首に当てながら脅しをかける。
息子のその脅しは青年にとっていまだに恐怖そのもので、またその時のことがきっかけで
彼の中に「自分が何かを話す=殺される」という図式が歪んだ形で根付いてしまっていた。

過去を思い出した主人公は、どうしてこんなことを忘れていたんだろうと愕然としながら考える。
(ちなみに主人公はほんの数分前に、いじめについてなかなか詳細を語らない教師に向かって
「いじめの加害者はすぐに忘れるけど被害者は心の傷を忘れられないんですよ!」と啖呵を切っていた)


34 名前:4/4 投稿日:2006/10/19(木) 22:28:25
女手一つでも立派に子供を育てられるし仕事だってできると証明したくて弁護士を続け、
息子に対しても時に厳しく接してきた主人公。
勉強に関しては特に熱心で、成績が悪いと殴ったこともあった。
息子がいじめをするようになったのはそういった母からの抑圧で溜まったストレス発散が目的。
高校を卒業しいじめのことなどすっかり忘れていたのは自分たちだけで、
不幸な偶然で再会してしまった青年にとっては
今でも息子は自分をいじめ殺すとまで言った恐ろしいいじめっ子で、
主人公はいじめられている自分を呼ばわりして怒鳴りつけてくる存在のままだった。
もうどこにいってもダメだ、今度こそ殺されるんだと怯える青年。
思いつめた彼は、刑務所に入れば奴らから守ってもらえると考え、今回の犯行に及んだのだった。
諸悪の根源は自分だったと悟った主人公は涙を流し、そして青年との面会に向かう。
過去を思い出したことを主人公が告げると、主人公はようやく口を開き自分の言葉で動機などを語った。
そして、自分の勝手で人を刺したことは事実だし
絶対に許されることじゃないから罪を償いたいというようなことも話す。

主人公は青年に、なぜよりによって自分に弁護を依頼したのか、復讐のためか、と尋ねた。
青年はそれは違うと首を振り、ただあなたなら僕を救ってくれそうだと思ったからと返す。
主人公は涙を流し、青年を全力で弁護すると宣言する。
これからが私の本当の贖罪だ──というモノローグ?でEND

色々つっこみどころあるんだけど、
とりあえず実行犯の息子が反省する描写とか一切無しなのが一番ひっかかる。


336 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/10/19(木) 22:33:44
どうせなら事件の真相がマスコミすっぱぬかれて
主人公と息子が総叩き、弁護士資格剥奪、くらいして欲しかったな。
それでも贖罪で青年の弁護に勤しむなら反省もまあ本物だ。
メンツは保たれたまま、泣いて終わりじゃあ読者はすっきりしなそうだ。

337 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/10/19(木) 22:49:23
>>336
弁護士資格剥奪にも規程があると思われ。
そうそうそんなことで剥奪されたらたまったもんじゃない。

338 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/10/19(木) 22:53:34
ってかそもそも、その事件に関りのある弁護士が
裁判って出来るのかな?

たしか裁判官とかは無理だった様な気が・・
まあ直接的な関係ではないから、この程度なら大丈夫かも知れんが
心情的には第三者が担当するのが妥当だと思うな