ハナ

929 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/18(日) 11:23:21
本の話ではなく実体験なので、面白くなかったらごめん。

昔住んでた家の近所にAさんというおばあさんが住んでた。
夫がなくなり、娘夫婦は遠方で暮らす独居老人でハナという猫を飼っていた。
このハナをまるで子供のようにかわいがり、ハナもとっても懐いてた。
30年ほど前なので、去勢もせず外飼いが普通だったんだけど、
ある日Bさんの息子が車でハナを轢いてしまった。
Bさんたちは「死んだとわかったらおばあさんは悲しむだろう」と
周りに止められたが、勝手にハナを近所の川に流してしまった。
それ以来、かくしゃくとしたAさんは何とボケてしまい
何時間も朝も夜中も「ハナーハナー」と呼びながら徘徊する様に…
良心の呵責を感じたBさんは、Aさんにハナと同じ模様の子猫を
「ハナちゃんの生まれ変わりだよ」とプレゼントし、Aさんは「ハナが帰ってきた」と泣いて喜んだ。
徘徊も収まり、ホッと一安心したがまたしばらくしたら
「ハナーハナー」と呼びながら徘徊するようになった。
事情を聞いたら子猫のハナはどこかへ行ってしまい、
「あの子はハナじゃなかった」とまた再発したそうだ。
子猫が逃げるなんて当時はよくある事だし、Bさんはまた伝をたどって猫を連れてきた。
Aさんは最初は喜ぶが、しばらくしたら子猫が死に、また徘徊。
とうとう娘夫婦が引き取る事になり、家も処分する事になった。
近所の人も手伝いで家に行ったら、奥の貯蔵室兼洗濯室から凄い臭いが。
洗濯機をよけると、そこには袋に入れられた子猫の死体が二つあったそうだ。
そして家の中の紙と言う紙、新聞チラシ、果ては本に至るまで
弱々しい字で「ハナヤ ドコヘイッタノ」「ハナヤ カエッテオイデ」「ハナ ハナ」と綿々と…
田舎の事で噂も早く、Bさんはいつの間にか引っ越していった。


930 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/18(日) 11:38:53
最初からハナの死体を見せて「ハナの死」を知らせてあげればよかったのに…。
いっときの感情で罪を隠匿しようとすると、あとあと長引いてよけい苦しむことになるんだな。

933 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/18(日) 12:03:48
子猫の死体は二つあったんだね。埋めずに…。
おばあさんは子猫を殺したんだろうか。
やっぱり最初にハナの死体を見せるべきだったのかな?

936 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/18(日) 12:26:07
まあでもハナが自然死でも同様の結果になったんじゃねえかと思うよ。

937 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/18(日) 12:45:47
いや、ちゃんとおばあさんがハナという飼い猫の死を認識して、
埋めるなりなんなりして心の整理をつけられたら、後の死んだ子猫を隠したり、
痴呆が早まって奇行を繰り返したりしなかったんじゃないか?
「ハナがいなくなってしまった」っていう出来事がおばあさんを追い詰めたんだと思う。
その後で違う猫をあてがったってもうおばあさんの心は壊れてたんじゃないかな。