陰のある兄弟

766 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/30(金) 09:52:51
坂田靖子の短編漫画より

アパートに年の離れた兄弟が引っ越してくる。
隣人は老人と息子夫婦。仲良くなり、お互いの家を行き来する仲になる
兄弟はどこか陰があり、人を避けている印象。
それを老人が口にすると、弟が実は自分たちは兄弟ではなく
自分はひどい環境の施設から兄によって助けられた。
今も施設の人間が探しているかもしれないので、住居を転々としている。と告白。
老人は兄が一人の時に、「あの子(弟)は息子夫婦の子どもではないか」と問いかける。
老人の息子夫婦は数年前、まだ幼児だった息子を誘拐されていて、弟はその息子の面影があった。
兄は苦悩の末それを認めた。兄は自分の家族を事故で亡くし、
孤独に苦しんでいた時に、たまたま見かけた夫婦の子どもを発作的に誘拐
施設の話を繰り返し聞かせて、偽の記憶を弟に植え付けたのだ。
老人は兄に弟をおいてこの町からでていけば、警察には言わない。と兄に告げる。
悩んだ挙句、兄は弟にすべてを話し、隣人夫婦の下に弟を残して家を引き払う。
駅で列車を待つ兄、そこに駆けつける弟。
「手紙を残してきた、僕はやっぱり兄さんといる」
ラストシーンは列車に乗って去っていく兄弟の絵と、手紙の内容が文で書かれたシーンで終るんだけど、
子どもを誘拐され、やっと帰って来たと思ったら誘拐犯に洗脳されて
結局出て行かれてしまった母親の心情を思うと後味が悪すぎる。


767 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/30(金) 10:47:26
幼児→少年では育てた人間に情が移るのもやむをえないが
息子夫婦の立場からはかなり後味悪いな。

768 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/30(金) 10:49:33
弟を置いて兄が去ってENDなら兄カワイソスとも思っちゃうしな
どっちでも後味悪いな