外伝「斑(MADARA)」(田村由美)
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605 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/04/13(金) 08:27:09
- 田村由美の方のBASARAは文明が滅んでから数百年後の日本の話で、 
 国王とその子供たちである黒・白・青・赤の称号を持つ王たちが
 日本各地を治めていて、圧政に主人公が反逆するという話。その番外編MADARAは、唯一の女性王で白の王と呼ばれる銀子という人の話。 
 銀子は幼少期、部下の立場にある柿人という少年と恋に落ちる。
 正しくは恋未満な感じなものの互いに思いあっていたが、銀子は父王に他へ嫁がせられる。
 柿人とは離れ離れになるし無理矢理の結婚なので嫌がっていたが、
 夫はとても優しくて、いつしか銀子は心から夫を愛するようになった。
 そんな時、父が突然夫の国を攻めてきた。
 火をかけられ燃え落ちた家屋に足を潰され逃げられぬところに、今では父の忠臣となった柿人が現れ、
 銀子の目の前で夫を殺した。そして銀子を救ったが、銀子は足も心も完全に壊れてしまっていた。実家に戻ってからも呆然とした日々をすごしていた中、酔った父が寝所に入ってきた。 
 嫁に出してからその美しさが惜しくなったから取り返してやったまでだ、父はそう言いながら
 足が動かず身動きのできない銀子を犯した。やがて妊娠する銀子。
 柿人は死んだ夫の子ではないかと言い、その言葉に銀子は笑う。
 夫はまだ銀子が幼いからと、大切に愛しているからと、
 銀子がもう少し大人になるまでただ愛だけを育もうと指一本触れなかった。
 だから父の子以外であるはずがないと。
 化け物が生まれてくる妄執に囚われながらも、いざ生まれてくると愛しくなった。
 しかし、子は弱弱しく少し泣いただけで、もうその泣き声は響かなかった。代わりのように孤児を集めては育て、そしてさみしさから柿人の体を求める。 
 だが柿人はかつての火の中で銀子をかばったさいに全身に火傷を負い、男性として機能しなくなっていた。
 「ねえ、何故あの火の中でわたくしを殺してくれなかったの わたくしを殺して」そう言うが柿人は肯かない。
 銀子は自分の運命を憎み今では壊れてしまった柿人との愛情を思いながら、
 柿人の斑模様の背中をひたすら痛めつける日々を送った。
 銀子は本編で色々と主人公に邪魔をするが、それは全て最終的に自分を殺してほしかったための行動だった。
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609 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/04/13(金) 09:17:37
- >>605 
 ものすごく上手なまとめ方で感心した!
 BASARA途中まで読んでリタイアしちゃったんだけど
 また続き読みたくなったよ。



