リアル鬼ごっこ(山田悠介)

87 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/04/19(木) 14:03:32
「山田悠介」の「リアル鬼ごっこ」
読んだ人ならわかるけど、あれの後味の悪さは半端じゃない…

時は西暦3000年。佐藤という王様が治めているある国の話。
150代目の佐藤王様はワガママで、既に国に500万人もいると言われている
「佐藤姓」の人間を抹殺するという計画を立てる。
王様は30世紀もの間「佐藤」という姓を代々継いできたので誇りに思っているが、
その姓が一般市民に多すぎるのが気に食わない。
でも、ただ「佐藤姓」を虐殺したのでは国民の反感を買い、国は滅亡してしまう。
そこで「ゲーム感覚はどうだ?」と言い、佐藤姓を捕まえる「鬼ごっこ」を企画する。
捕まった佐藤は殺されてしまうが、もし生き残る事ができたら王様がひとつだけ、何でも願いを叶えてくれる。
基本設定はこんな感じです。

で、冒頭に「医学技術や科学技術、機械技術の全てが今とは全く想像がつかない程発達し」と書かれている。
にも関わらず、何故か新幹線が通り、熱が出たら氷枕と濡れたタオルで治療したり、
ファミレスで頼むものがキノコスパゲティーとハンバーグセットだったり、ガムが100円だったり
出てくる地名も「大阪府」「淀川区」「港の見える公園」「横浜」「新北野」だったり…
強いて発達した未来らしきものといえば「佐藤探知機ゴーグル」ぐらいw

さらに「山田文法」といわれる独自の文法を使用しており、それも必見

「二人が向かった先は地元で有名なスーパーに足を踏み入れた」 「騒々しく騒いでいる」
「最後の大きな大会では見事全国大会に優勝」 「十四年間の間」
「ランニング状態で足を止めた」 「遠く離れると横浜の巨大な遊園地ができた」
「いざ、着地してみるとそこは森の様な草むらに二人は降り立っていた」
「永遠と続く赤いじゅうたん」 「この話は人々の間とともに長く受け継がれていく」等など。

でも一番後味が悪いのは…こんな作品でも出版できるところ&何故か出版社は大プッシュで
次々作品を発行して「大人気作家」になってしまうところかな。
現在山田悠介氏は雑誌にて「パラシュート」を連載中…

 

リアル鬼ごっこ
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