ジョニーは戦場へ行った
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414 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/05/16(水) 01:40:26
- 「ジョニーは戦場に行った」
戦場で両手、両足、耳、眼、口を失い、第1次世界大戦が終わってから
15年近く生き続けたイギリス将校が実在したという事実をヒントに、ダルトン・トランボが
1939年に発表した小説「ジョニーは銃をとった」を、トランボ自ら脚本・監督した。ジョーはいま、<姓名不詳重傷兵第407号>として、前線の手術室に横たわっている。
延髄と性器だけが助かり、心臓は動いていた・軍医長テイラリーは
「もう死者と同じように何も感じない、意識もない男を生かしておくのは、彼から我々が学ぶためだ」
と説明した。こうして<407号>と呼ばれるようになったジョーが陸軍病院に運ばれた医長の命令で<407号>は人目につかない場所に移されることになり、倉庫に運び込まれた。
かゆかった。腕のつけ根あたりがかゆい。ところが何もないのだ。両手も、両足もないらしい。
切らないでくれと頼んだのに。こんな姿で生かしておく医者なんて人間じゃない。顔をおおっているマスクを変える時、あらゆる神経を総動員してジョーはさぐってみた。舌がなかった。
アゴがなかった。眼も、口も、鼻もなかった。額の下までえぐられているのだ。ある日、<407号>が頭を枕にたたきつけているのを見た看護婦は軍医を呼んだ
頭を枕にうちつける<407号>を見た将校は「SOSのモールス信号です。」といった。
将校は<407号>の額にモールス信号を送った。「君は何を望むのか・・・」
「外にでたい。人々にぼくを見せてくれ、できないならころしてくれ」
上官は愕然とした。そして一切の他言を禁じた1人残った看護婦は、殺してくれと訴えつづける<407号>の肺に空気を送り込む管を閉じた。
しかし、戻ってきた上官がこれを止め、看護婦を追いだしてしまった。
倉庫の窓は閉ざされ、黒いカーテンが全てをかくした。暗闇にジョーだけが残された。・・・ぼくはこれ以上このままでいたくない。
SOS、助けてくれ、SOS・・・その声なき叫びはいつまでもひびいている
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415 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/05/16(水) 01:45:03
- >414
現在の病院でのダルマ状況はモノクロで
脳内の楽しかった過去はカラーで描かれるんだよな 切ねえ
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435 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/05/16(水) 12:49:25
- ちょっと遅レスだけど>>414の「ジョニーは戦場に行った」について蛇足
この映画作ったダルトン・トランボは1950年代の赤狩りで
ハリウッドを追放されて70年代に入って復権した人。
その間、本名では脚本書けないので偽名を使ったり
他人の名前を借りたりして仕事をしてたらしい。それを思うと>>414の映画のラストで
(>>414では「僕を助けてくれ」だけど昔TVで見た時は
「僕を殺してくれ」になってた)
手足が無く目も口も使えずに「僕を助けてくれ(殺してくれ)」と
訴え続ける主人公の姿が、作者の当時の心境を表しているようで
なんとも言えない気持ちになる。