ジョウント(スティーブン・キング)

576 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/03(火) 01:04:21
ネタ投下していいか
Sキングのジョウントって話
作者が有名だから知ってる人多いかもしんねーけど

578 名前:1/2 投稿日:2007/07/03(火) 01:11:09
時代はたぶん近未来、ワープ装置が移動手段として使われてる
(現代でいう飛行機みたいな感覚だと思う)
ある家族がそのワープ装置【ジョウント】を使うために順番待ちをしていて
父親が小学校低学年くらいの息子にジョウントについての話をしてあげている

ジョウントは、ある博士がまったく偶然発見した現象を基に作られている
装置の形はゲートが二つあり、片方をくぐるともう片方から出てくるタイプで
ゲートを通すと一度物体を分解して、反対側に再構築するって仕組みらしい
すぐに実用化されず、当然慎重な実験を何度も繰り返された
最初はペンなどの無機物、次に生物として小型のマウスなどをワープさせた
何故かワープしたマウスはまともに動くことができず、しばらくして死んでしまう
試行錯誤してるうちに、睡眠状態のマウスは
ワープした後に起してみても普通に動けることがわかった
どうやら、物理的な物体は再構築できるが
生物の【意識】を構築する時になにか起きているらしい
分解してから再構築するまでの時間は、限りなく同時に近いがほんの少しだけ遅れてる
そのほんの少しの遅れが【意識】にとってはどんな感じ方なのか
興味が沸いた研究グループはある実験を試みる
死刑囚に「無事生還できたら無罪放免」という条件を提示し初の人体実験を試みたのだ
(同時に睡眠状態の人間に対しても実験しているが
そちらは成功していて実用化への第一歩になっている)
志願した死刑囚がゲートをくぐり、もう一つのゲートから無事に出てくる
だが、やはり様子がおかしいようだ、まともに動くことができない様子
そして一言だけつぶやいて、直後に死んでしまう

「あそこには永遠がある」

それ以降、起きてる人間をワープさせる事は禁止された


579 名前:2/2 投稿日:2007/07/03(火) 01:12:55
――だから僕達も今から催眠ガスを吸うんだよ
ぐっすり眠って起きた時にはワープは完了、何も恐がることは無い、いいね?

息子は「わかったよパパ」と素直な返事をする、が、目が少しだけ輝いた気がした
そして丁度自分達の番が回ってくる
乗客が皆、目の前のマスクでガスを吸いコトリと眠る
係員が全員眠った事を確認して、ジョウントに通す

無事ジョウントは成功し、少しして父親が目を覚ました、だが・・・
辺りが騒がしい事に気付く、なんと自分の息子が移動ベッドで運ばれているではないか
息子はガスを吸わず寝たフリをしてジョウントを通過していたのだ
手足をバタバタ動かし、奇妙な声を発している変わり果てた息子に近寄る父親
息子は父親の存在を理解したのか、首をこちらに向けて叫んだ

「パパ!ねぇパパ!すごいんだよ!
 永遠ってね!意外と長いよ!
 意外と長いよ!永遠って長いんだよ!!」


583 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/03(火) 01:34:56
補足すると、覚醒状態でジョウントすると”永遠を見て”老化するの。
正確には精神の老化なんだけど、肉体も変化するらしく、実験用ラットは老衰死、
死刑囚も白髪の老人と化して死亡。
息子の場合は、『身体は少年のまま白い髪を振り乱し、涎を垂らしながらクネクネと
絶え間なく身体をくねらせ、皺だらけの顔に狂った笑みを浮かべてけたたましく叫ん
でいた』って感じだったと思う。

584 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/03(火) 01:36:35
読んだのが何年も前だからちと曖昧なんだけどこんな表現があった気がする

意識をワープさせると、凄く長い時間(それこそ永遠と呼ぶくらいの)を
意識だけで過ごさなくてはならない
見えるとか聞こえるとかそんな感覚はもはや関係なく
だけど意識があることは鮮明で、そんな状態で永遠を過ごした後に
いきなりフッとワープが完了するわけだ
そしてひさしぶり(長すぎるが)に体と合流するんだけど
体の動かし方すら忘れててもおかしくはないんだ

みたいな事書いてあったかもな~
息子が喋れたのはなんでよ?ってなるけどな
どっちにしろ経験した人間しかわからないって恐い


586 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/03(火) 01:43:03
>>579
『ジョウント』でググッた。
どうやらスティーブン・キングの
短編集『Skeleton Crew』(邦題・骸骨乗組員)に収録されてるみたいですね。

解説はこちらでttp://www.lava.net/~shiro/Private/king/TheJaunt.html


596 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/03(火) 02:01:24
>>589
作中でもガスを吸う直前でビビッてキャンセルするオッサンが登場してたぜww
省略したけど他にもジョウントに関するエピソードいくつかあったし
短篇集だから好きなときにサクッと読めて楽しめると思う
オレもまた買おうかと思えてきたww

620 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/03(火) 09:49:41
ジョウントはなんか微妙に記憶と異なるんだが・・・
確か「永遠を見たんだ」とか言ってたような・・・それに老化はしてなかったとおも。

627 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/03(火) 10:29:36
>>620
自分も老化とは覚えてないんだけど、たしか
白目が黄色くなってた、という描写があったと思う。

 

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