ギャラリーフェイク/真珠と少年(細野不二彦)
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208 名前:1/2 投稿日:2008/04/11(金) 19:31:25
- 「ギャラリーフェイク」から
藤田はタヒチにゴーギャンの絵を売りにいく。
タヒチはゴーギャンの心の故郷であったが
所詮フランスの植民地であるタヒチにはゴーギャンのオリジナルが一枚も存在しなく、
またフランス核実験再開のため観光地として評判が落ちたことなどもあり
タヒチ市長はゴーギャンの絵をのどから手が出るほど欲しがっていた。
しかし藤田も値引きには応じずその日の交渉は決裂する。夜、市長は藤田のもとを訪れ珍しい白黒半々でできた真珠の写真を見せる。
世界に数個しかないと思われているが、実は20年ほど前からタヒチでも
ある漁師一家だけが知っている特定の場所「神の根」でよく採れるようになった、
そして採れたら今まではみなフランスへの貢ぎ物にしてきたと。
興味を示した藤田は市長とその漁師宅に行き
市長は一家の祖父に報酬を出すから真珠を採ってきてくれないかと頼むが、
「あそこは神様の場所だ、年に決まった日しか潜ってはいけない、
またあの真珠は神からの贈り物だから金をもらって採りにいくようなもんじゃない!」と拒絶される。
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209 名前:2/2 投稿日:2008/04/11(金) 19:32:15
- しかし二人が漁師宅を出てから一家の孫の少年が追いかけてきて、自分が代わりに潜って採ってくるという。
祖父は近年かなり体の調子が悪く街の医者に診せてやりたい、その金がほしいからと。藤田は少年と海に出る。藤田は少年に家のことを聞くが、両親も兄も既に死んで祖父と二人きりだという。
途中、見慣れないサメに襲われたりもしつつ、どうにか黒白真珠を採ることができた。少年は祖父を街の医者に入院させる。藤田は医者に老人の病状を聞く。
「末期ガンです…それにチェルノブイリの被爆者とときとよく似た症状が出ています」藤田は市長に抗議する。フランスが核実験を始めた20年前からちょうど発生しだした黒白真珠。
真珠採りの最中に海で見た見慣れない、奇形のサメ。漁師一家の死。
影響はあの「神の根」だけじゃすまないかもしれない。フランスに抗議すべきだと。
しかし市長は「フランスとタヒチはこの真珠のように一体なのです。
フランスの宵面も悪い面もタヒチは受け入れていくんですよ、日本人のあなたにはわからない」。藤田は少年に放射能の危険を話し「もうあそこには潜るな」と警告するが
少年は「うちはみなあの海と付きあってきた、爺ちゃんもみんな。自分だけ逃げるわけにはいかない」。藤田は市長に絵の代金はいらないからその金をすべて少年にやってくれと頼み
黒白真珠とともにタヒチを発つ。 おわり
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212 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/04/11(金) 21:04:37
- >>209
市長が少年にお金をあげるわけないのに・・・ってのが後味悪ポイントだな