誰か―Somebody(宮部みゆき)

453 名前:1/2 投稿日:2008/06/29(日) 23:51:11
かなりうろ覚えだから間違ってたらごめん
宮部みゆきの「誰か」

主人公は恋愛の末、大会社の社長の娘(しかもかなり年下)と結婚
周りから妬まれることはあったが、義父の運転手は素直に「おめでとうございます」と言ってくれた

そして結婚して子どもにも恵まれたある日、その運転手が自転車に轢き殺されて死ぬ
義父から頼まれて運転手の娘二人と会うが、上の娘は地味でしっかりもので現在婚約中
下の妹は派手で自己主張が激しい
そして妹が言うには「犯人を捕まえるために父の自叙伝のようなものをだしたい」とのこと
(ちなみに主人公は以前出版社に勤めていた)
姉はあまり乗り気ではないようなので、姉と二人きりになり話を聞くと
妹が生まれる前、姉は一度誘拐されたことがあるという
誘拐したのは若い女性で、ずっとイライラして自分が泣くと「父親が悪いんだ!」と怒られたという
姉は自分の父親がこの女性に対して何かをして、そのことが原因で自分が誘拐されたのでは?と疑っていたのだ
だから、自叙伝のようなものを出すということはその過去を暴くということになるのでは?と反対していた
主人公は「あまり過去のことを深く追求しないで、むしろ社長の運転手になってからのことを中心にまとめましょう」といい
自分は少しずつ運転手の過去のことを調べだす


454 名前:2/2 投稿日:2008/06/29(日) 23:51:38
やがて主人公は、運転手が以前勤めていたオモチャ会社にたどり着く
そこである女性が父親にある種の虐待のようなもの(精神的なもの?)を受け、お金をとられたりしていて
それを運転手夫婦に相談していたことをしる
そして、おそらくこの女性は父親を殺してしまい、それを始末したのが運転手夫婦ではないか?
その日、子どもを連れて行くわけにいかないので、彼女に娘を預けたのでは?という推理をする
(後日、この推理があたっていたことははっきりするが、この「彼女」と誰にもこの話をしないことを誓う)

しばらくして、運転手を轢き殺した犯人が捕まる
中学生だった
しかも、途中から絡んできた姉の婚約者が実は妹ともデキており、それを指摘すると悪びれることもなく
「貴方みたいに金持ちの娘を落とせるほど要領よくないもんでね、俺は(笑)」と逆キレされ、姉との話は破談になる
姉は姉で主人公に電話をしてきて「どうして彼のことまで調べたんですか。そんなこと頼んでないですよね」と責められる。
どうも妹はこれまでにも姉が付き合った男性に片っ端からちょっかいを出し、それがきっかけでダメになったことが
過去何度もあったようで、今回こそ…と姉は信じていた(信じたかった)らしい

結局、姉は男性と破談になり、本も出版されず、運転手を殺したのは中学生(未成年)で、
過去の暗い誘拐事件については真相をしることもなく(彼女との約束で主人公は一切話さなかった)、
誰も幸せにならず、何も表面上は解決しない…という非常に後味の悪い小説だった


455 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/30(月) 00:07:06
>運転手を殺したのは中学生(未成年)
好きだねえ、宮部みゆきはこの手の犯人が。
宮部の現代小説の悪役って、必ず良心のない若者快楽殺人者だよなあ。

458 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/30(月) 00:47:14
>>455
いや、この犯人に関しては若者快楽殺人者ってわけじゃなかったとおも。
ただの事故で少年も反省してたけど怖くて言い出せなくて・・・みたいな感じだったはず。
他の話に出てくるような自分勝手な若者殺人者は登場してないよ。ウロだけど。

この話の続編(登場人物がかぶってるだけで違う事件の話)も
読後、モヤモヤした気分になる話だった。
基地外女が色々問題+事件を起こして逮捕されるけど
「私可哀そう、周りが全部悪い」って感じで全く反省なし。
周りも「あの人の性格は変わらないから仕方ない」みたいな
諦めた感が漂う感じで終わる。

実際の事件でも、自分は悪くない、周りが悪いって反省してない奴って多いんだろうな。
秋葉原の犯人とかみたいに。


472 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/06/30(月) 08:34:56
>453-454
>誘拐したのは若い女性で、ずっとイライラして自分が泣くと「父親が悪いんだ!」と怒られたという

「父親」って、つまりは「若い女性の父親」のことだったってこと?
だって「娘の父親=運転手」は若い女性のあと始末してくれてたんだよね。

 

誰か―Somebody (文春文庫)
誰か―Somebody (文春文庫)