蝿の王(田中啓文)
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832 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/07/22(火) 00:11:44
- ホラー小説『蝿の王』
大学教授の蛭川が「虫の間」と呼ばれる遺跡を調査している時、
彼は壁画の虫に導かれるように大量の人骨と壷を発見する。
人骨は赤子のものであり、蛭川が壷を開けるとそこから目に見えない悪意の塊が噴出した。
ここから物語は始まる。主人公瀬美は女子高生で潔癖症とも言えるほどの虫嫌い。
彼女は近頃宙馬と名乗る男に抱かれる淫夢に悩まされていた。
瀬美はそれを最近彼氏と会えないせいだと思っていたが、彼女は現実に妊娠してしまう。
瀬美は頑なに彼氏との子供だと言い張るが、身に覚えのない妊娠に彼氏は激怒し堕胎を迫る。
仕方なく病院に行き、堕胎手術を受ける為に麻酔を受けた瀬美が
目を覚ました時に見たのは、血の海と死んだ医者だった。
その場を彼氏と逃げ出した瀬美は、子供が守ってくれたのだと思い、産むことを決意する。
その頃東京では児童殺人が頻発し、現場では虫が大量発生するという事件が起きていた。
瀬美も事件に巻き込まれるが、その度に白い光に守られ助かっていた。
事件の過程で出会った隠れキリシタンの一派だと言う浮浪者の老人は、
その現象を目撃し、お腹の子供はキリストの生まれ変わりに違いないと瀬美に言う。
老人の持つ預言の書によれば、今まで起きた事件は悪魔の仕業であり、世界破滅の始まりに過ぎない。
彼は瀬美に世界を救う手助けをするように何度も言うが、
瀬美はお腹の子供を危険に晒すようなことは絶対したくないと拒絶する。
そんな瀬美に愛想を尽かした老人は一人世界を小救うべく、どこかに消えてしまう。
無事に出産し、子供と一緒にひっそりとした生活を続けていたある日、
瀬美は偶然つけたテレビに巨大な蛆と大量の虫が現れ、
人々を食いつぶし建物を破壊していく様子が流れているのを見る。
しかし瀬美にとってそれはテレビの中の出来事であり、自分には無関係だとスイッチを切ろうとする。
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833 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/07/22(火) 00:14:44
- その時、老人が一人蛆虫に立ち向かい、無残に殺されていく様子が映し出されるのを見てしまう。
ショックを受ける瀬美の頭に宙馬の声が響く。
宙馬は、自分は神であり、瀬美の子供はキリストの生まれ変わりであることを告げる。
今世界を滅ぼそうとしているのは、キリスト生誕の際に生贄として殺された何百という赤子の怨念であり、
その恨みの連鎖を断ち切るために瀬美の助けが必要だという。
そしてとうとう瀬美は自分の子供の未来の為に悪魔と立ち向かうことを決意する。
恐怖に怯えつつ、蛆の前に立った瀬美は宙馬に言われるまま十字架と釘、金槌を手に持つ。
そして宙馬が次に指示したことは『自分の子供を十字架に磔にせよ』というものだった。
キリスト生誕と引き換えに生まれた怨恨は、
再び誕生したキリストを磔にすることでしか浄化することが出来ないという。
当然のように瀬美は激しく抵抗する。
しかし宙馬は瀬美の体を操り、何も知らない我が子の手足に次々釘を打ち込んでいく。
泣き叫ぶ瀬美の腕の中で子供が息絶えると蛆は消滅し、天からは神を讃えるように天使が降りてくる。
怒り狂った瀬美は天を罵倒し、それを聞いた天使は怒って瀬美に覆い被さっていく。
エピローグでは、今まであったことは瀬美が書いた小説であり、
虫というものは瀬美の小説の中にしか存在しない世界になっている。
そんな瀬美の様子を物陰から虫に似た天使がニヤニヤ笑いながら覗き見ている描写で終わる。結局神も悪魔も同じようなもんで、最後まで犠牲にされ続けるのは何も知らない赤ちゃんだけ。
瀬美は最初から最後まで彼氏との子供だと信じ込んで
周りの言うことを一切聞こうとしないし、他の登場人物も最低な人間ばかり。
最後ぐらい救いがあるかと思って読んでたのに何もないどころか後味悪すぎる…
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834 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/07/22(火) 00:22:10
- >>832
うへぇ(´Д`;)
キリスト系は救われないのが多い気がする…
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836 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2008/07/22(火) 00:39:35
- つーか普通に神が胸糞悪いな。(小説オチってのはおいといて)
キリストを宿すために無関係の子供を生贄に
→子供怨霊化→キリスト殺さなきゃ片付かない→殺す
それなら最初からキリストを生ませようとするなよと。
世界を救うでもなんでもない、自分のせいで怨霊化した子供を鎮めるだけて。
んで、子供の怨霊のせいで被害甚大だし。