レイトン教授と不思議な町

840 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/28(金) 22:46:24
『レイトン教授と不思議な町』のストーリーが個人的に何か引っかかる話だった

名探偵の主人公はとある町の大富豪の未亡人の依頼で黄金の果実と呼ばれるものを探すことになる。
黄金の果実を見つけたものに亡き富豪の莫大な遺産を与える、ということで
未亡人やら富豪の甥やらが眼の色変えて集まってきている。
神隠しの噂があるその町の中央には謎の塔があって、住人はそこを恐れて近寄らない。
何でもその塔には人攫いが住んでいて、
身体の具合が悪いとこぼしている住人を連れ去っていってしまうのだとか。
そのうち殺人事件が起きたりその人攫いに遭遇したりするんだけど、
遺体は盗まれるわ攫われたはずの住人はひょっこり戻ってきて「さらわれた事なんかない」と言い張ったりする。
更に富豪には一人娘がいることがわかる。
娘は後妻である未亡人に懐かず家出をしてそれきりらしい。
しかし彼女の実母である前妻と未亡人は、年齢といい外見と言い異様に似ている。
また、彼女が赤ん坊の頃の写真に一緒に写っていた老婆が
十数年経っているだろう現在でもぴんぴんしていたりと何かと謎が多い。


841 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/28(金) 22:47:26
あれこれ調べながら話を進めていくと、その町の真実が明らかになる。
その町はとある老人形師が作り上げた作り物の町で、住人は全員人形。
神隠しの正体とは不調になった人形を人形師が回収して修理してた、と言うだけだった
(さらわれたはずの人が何も覚えてないのはそのため。殺人事件もただ人形が機能停止してただけだった)
かつて富豪は人形師を援助し、その才能を開花させた人形師は完璧なオートマタを作る事に成功していた。
富豪は様々な人形に囲まれ生活していたが、妻を失い自らも病に倒れる。
自分亡き後にたった一人残されてしまう愛娘を心配した富豪は、
彼女を守り育てる町を造って欲しいと人形師に依頼。
亡くなった妻を模した人形や執事人形、妻の弟と言う設定の人形や甥の人形、
娘の遊び相手の少女人形……あらゆる人形を作り町ひとつを作り上げた人形師。
しかし肝心の娘は人形である新しい母親にまったく懐かなかった。
作り物の町と作り物の住人達。すべては娘を孤独から護るためだけに作り出されたのだった。

842 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/28(金) 22:48:01
最終的に黄金の果実とは家出した娘の事で、
娘をしっかり守って愛してくれる人に財産全部やるよ、って言う話だったんだけど……
娘一人のためだけに町ひとつ作り上げるその愛情が怖いと思った。
人形に囲まれて育った娘は心を閉ざして笑わなくなってたし、
人形にも血縁関係とか細かい設定があって途中までは普通の人間だと思ってたくらい。
莫大な財産を賭して作ったのは、娘を守るためだけのカゴだったのかと考えて何となく薄暗い気分になった。
町の人たちは自分が人形だとも知らずに未来永劫決められた役割を演じながら同じ毎日を生きていくだけ。
今は人形師が修理してるけど人形師が死んだりしたらどうなるんだろう。
おまけに最後の方に出る富豪のメッセージには
『財宝は貴方のものだ、この宝を手にしたとき、町とその住人は役目を終えて永遠の眠りに付く』
ってあるんだよね。
娘を守ってくれる人が現れたら、もう町丸ごとポイするつもりだったらしい。
まあ娘の判断で宝には手をつける事無く町は存在し続ける事になったんだけど……

きちんとプレイしてれば「うん?この町ってまさか……」と薄々分かってくる構造になってるから、
終わりがけには富豪の妄念みたいなものをひしひし感じてしまってあんまりいい気分ではなかった。
エンディングはハッピーエンドだったけど、どうにも引っかかる。

 

レイトン教授と不思議な町 フレンドリー版
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