レンタルファミリー

176 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/25(木) 04:51:11
「レンタルファミリー」

裕福だが、非常に躾の厳しい家庭で育った17歳の主人公。
思春期に差し掛かると、親や祖母の口出しが鬱陶しく感じられ、
ことあるごとに友人にそれを愚痴っていた。
ある日、靴の脱ぎ方に関して祖母に叱咤されたことを友人に話していると、
友人が「レンタルファミリー」なるものを紹介してくれた。
なんでもレンタルビデオの家族版のようなもので、
今の家族にそっくりな役者を期間に応じた金額で貸し出してくれるのだという。

帰宅した主人公は早速レンタルファミリーをネットで検索し、
ひとまず一週間コースを選んでレンタルを申し込む。
料金は、父親の財布から勝手に持ち出したクレジットカードで支払っておいた。
翌日、レンタルファミリーからとある住所が記載された封筒が届く。
その住所へ向かうと、そこには見た目は今の家族と瓜二つなのに、
性格は間逆で、主人公にこれでもかというくらい尽くしてくれる仮の家族がいた。
祖母は主人公の好きなように振舞わせ、両親も何一つ文句は言わない。
毎晩夕食は主人公の好きなものばかり用意され、夜更かししても少しも咎められなかった。
しかしそれも束の間、一週間経過するとレンタルファミリーから再び封筒が届き、
中には「期間は終了いたしました」のひと言が記載された紙が入っていた。
そして主人公を待ち受けていたのは、
一週間ろくに家に帰らなかったことを烈火のごとく叱咤する両親と祖母。
そんな家族に嫌気の刺した主人公は、今の家族と決別することを決意する。


177 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/25(木) 04:51:32
再びレンタルファミリーを申し込んだ主人公は、
今度は期間を設定せず、月極式で申し込む。
家族に気づかれないよう身の回りの整理をし、置手紙をして家を出る主人公。
それからは何をしても叱られない、薔薇色の人生を楽しんだ。
そんな幸せな日々が続いたある日、レンタルファミリーの家が火事に見舞われる。
主人公以外は主人公を見捨てていち早く脱出したらしく、
主人公は2階の自室に1人閉じ込められてしまった。
窓から必死に助けを求める主人公。
が、野次馬の中にいたレンタルファミリーは見てみぬふりを決め込む。

主人公が希望を見失いかけたそのとき、部屋のドアを蹴破って1人の男性が現れた。
それは消防隊員でもなく、レンタルファミリーでもなく、紛れもない本当の父親の姿だった。
「どうしてここが…」薄れゆく意識の中主人公が父親に尋ねると、
「娘の居場所も分からない親がどこにいる。毎日心配で見に来ていたんだ」と父は言う。

(やっぱり、本当の家族が一番なんだ…今までごめんなさい)

主人公が目を覚ますと、そこは病室だった。
目の前には心配そうな面持ちでこちらを見つめる家族がいた。
「今まで叱ってばかりいてすまなかった」
「私もごめんね、○○がそんなに気に詰めていたとは知らなくて…」
「これからはもう少し○○の気持ちも考えるようにするからね」
主人公に謝罪する家族。主人公は目に涙を浮かべ、
「謝るのは私の方。今回の件で家族の大切さが身に沁みて分かった。本当にごめんなさい」
と家族に今までの反抗を謝るのだった。


178 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/25(木) 04:52:12
そうして主人公は無事退院し、平常通り学校へ通えるまでに回復した。
その日は主人公の18歳の誕生日。
家族と打ち解けて初めて迎える誕生日に、胸を躍らせながら帰宅する主人公。
満面の笑みで玄関の扉を開けると、そこはシーンと静まり返っており、誰もいない様子だった。
(パパもママもおばあちゃんも、出掛けてるのかな…もしかしてプレゼント買いに行っているのかも)
そんなことを思いながらリビングへ向かうと、そこには一枚の封筒が。
送り主はあのレンタルファミリーだった。

不思議に思って中を開けると、
「調理費」「躾費」「教育費」「送迎手当」などと、
よく分からないことが書かれた料金表のようなものが。
主人公が次々と紙を捲っていくと、
その末尾には「救出特別手当」と「期間は終了いたしました」というひと言が書き添えられていた。


183 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/25(木) 11:09:30
>>178
最初の厳しい家族もレンタルで
オリジナル家族が別にいたって解釈で良いのかな?

185 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/25(木) 12:09:45
>183
最初の家族もレンタルで、主人公の本当の家族はどこにもいないんだな。

186 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/25(木) 12:10:05
>>183
厳しいほうの家族がレンタル、甘いほうが本物の家族
実は手におえない餓鬼だった主人公をレンタルに預け、
その罪悪感から一時的に主人公を預かって甘やかしたが、それに味をしめて
主人公が戻ってこようとしたために火事を装って殺そうとした
という風に俺は解釈した

187 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/25(木) 12:38:25
>>186
うわ~…
後味の悪さ倍増…

198 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/25(木) 23:16:15
>>186うまいけど原作は違った
本当の家族はいない。本当の親が死の直前残りの財産でレンタルファミリーを18才まで契約してた
大人になった時一人でも生きていけるように18まで厳しく育てて下さいと託したのだ

200 名前:本当にあった怖い名無し :2008/12/25(木) 23:22:34
>>198
それを原作にして世にも奇妙な物語かなんかであったかな?

独りになった後に母親が来るんだが、別に情でもなんでもなく、台所仕事でやり残した
ことを済ませたら普通に買い物に行くかのようにあっさりと永遠の別れ(契約終了)で出て行く。