爺さんと僕の事件帖/きりしとほろ変容伝(しかくの)

942 名前:1/2 :2009/01/13(火) 05:21:56
マンガ「爺さんと僕の事件帖」(しかくの作)より
※うろおぼえなので細部は異なっている場合があります

主人公の逸美は小学生。気の置けない仲間たちや頭脳明晰な祖父と協力して、
身の回りで起こる不思議な事やちょっとした事件を解決してきた。
ある日、学校のウサギ達が飼育小屋の中で殺されているのが発見された。
現場にはカッターが落ちていて、すぐに逸美のものであることが判明する
身に覚えのない罪を逸美は否定するが、カッターの持ち主であり、
更に高学年の微妙な時期ということもあって、第一容疑者として挙げられる
このままでは犯人にされてしまう。逸美と仲間たちは立ち上がり、自分達で真犯人を捕まえることを決心する

必死に現場検証や調査、聞き込みを行い、そしてとうとう、
犯人は拾ったカッターを棒の先にくくりつけて外からウサギを殺した事、
そしてその犯人が小1の女子であることを突き止める


943 名前:2/2 :2009/01/13(火) 05:22:39
逸美達は突き止めた真相を訴えるが、大人たちは逸美の犯行だと決め付け、
子供の言う事なんかとまともに聞こうとはしない。
しかも指紋などの証拠も持ってはいないのだ。
娘が犯人にされていると知った両親も駆けつけ、
「君は何も知らない娘に罪をかぶせるつもりなんだろう!」と激昂。
教師達も、まさか7才の児童がこんな凄惨なことをするわけがない、と懐疑的。

そこへ、逸美の祖父が現れ、決定的な証拠を示した。
いつも寡黙で逸美には必要最低限のアドバイスしかしない彼が、
孫の容疑を晴らすためあちこち駆けずり回ったのだった
それでも納得できない両親は激しく逸美を責め立てる
またも逸美達の旗色が悪くなるかと思われた、そんな時…
ずっとキョトンと眺めていた少女が、「ねえ~」と母親に話しかけた
「学校のウサギ全部いなくなったよ? だからうちにウサギ買って~?」
一同は愕然とする
少女の態度はあまりに無邪気だった

それは先日のこと。ペットにウサギを欲しがった少女に、
母親は『ウサギさんは学校で可愛がれるんだからいいでしょ?』と返し宥めていた。
何気ない会話だったが、少女は『学校のウサギがいなくなればうちで飼える』と考えた
そして『ウサギを買って貰うため』だけにウサギを全て殺した
少女は何の感慨も罪悪感もなくそれをやった、「異常」な子だった
一転、悲鳴のように謝罪する母親
「なぜこんなことをする子供になったのか」父親も号泣して懊悩する

『生まれつき心のない人間もいる』 逸美たちはそれを痛感し、
容疑は晴れても胸に消えないしこりを残したのだった

 

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