ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その109 » 運命だった

750 名前:本当にあった怖い名無し :2009/10/27(火) 10:52:39
何だったか、児童施設ネタの漫画を思い出した。
絵はあまり上手くなくて、漫☆画太郎っぽい絵柄でもう少し線の描き込みを減らした感じだったような。

あるところに借金取りに追い立てられ、一家心中しようと夜中に山中へ向かっている親子がいた。
あどけない寝顔をしている息子の首に父親が手を掛けたところで、やっぱり殺しきれず
「せめてこの子だけは生かしておいてやりましょう」と
子供を見つかりやすい場所に置いて、夫婦二人で去って行った。
翌朝発見された男の子は、施設に引き取られた。

男の子はそのまま施設で育ち、途中の経過は忘れたけど
小学校高学年くらいになる頃、独り暮らしの中高年のおじさんと仲良くなっていた。
おじさんの家でカレーを食べさせてもらったりして、
「昔お母さんに作ってもらっていた牛乳カレーとは味が違うけど、おいしいや」
などと言いながら、和気あいあいと過ごしていた。
そのうちおじさんが少年を引き取ってくれることに話がまとまり、
施設ではそのように手続きを進めていた。

ところが、ちょうどその頃、死んだと思われていた少年の両親が裕福な身なりで施設を訪ねて来た。
二人で心中しようと覚悟を決めた後、「俺たち二人だけなら、もうあの子に害は及ばないなら
死ぬ前にダメ元で足掻けるだけ足掻いてみて、それでも駄目だった時に死のう」と
ドン底から一念発起して事業で這い上がり、成功を収めたので息子を引き取りに来たという。
おじさん家の子供になるつもりでいた少年は戸惑ったが、おじさんは
「本当の両親がいるなら、親子で暮らした方がずっといい」と言って送り出してくれた。


751 名前:本当にあった怖い名無し :2009/10/27(火) 10:54:36
ぼんやり記憶にある若い貧しい両親とは違って、すっかり成金風になっていた中年夫婦に
少年はなじめず、ぎこちない“親子”の暮らしがスタートした。
両親は、一度捨てた負い目があるせいか、腫れ物に触るような扱いでやたら少年を甘やかした。
かと思えば、今は事業で忙しく、今まで夫婦だけの暮らしに慣れていたせいで
少年のことを眼中からスルーして行き違いになる時もある。

例えば、ある日の夕食で少年が「お母さんの牛乳カレーが食べたい…」とポツリと漏らすと、
「まあ、この子は! まだ幼かったのに、よく覚えていてくれて!! お母さん明日作るからね!」
と激烈に感涙して頬擦りし、少年は内心「なんなんだよ、大袈裟でうざってー」と思うが、
翌日の晩ご飯の席についてみると全然別の和食だった。
「あれ? カレーは?」と少年が訊ねると、今の今まで約束を忘れていたというように
あからさまに母親はギクッとし、「え、あ、えーっと…、今日は忙しかったから今度ね」
などと誤魔化した。

過保護と無関心、そんなギクシャクした家庭環境が続くうち、
中学生になった息子はグレて荒れだした。

しばらく経ったころ、新聞に
「父親が就寝中の息子(15)を絞殺――家庭内暴力に耐えかねて」の見出しが載った。

10年の時を経たが、この子はやっぱり、どのみち父親に絞め殺される運命だった。(終)


754 名前:本当にあった怖い名無し :2009/10/27(火) 13:16:20
>>750
お金持ちになっても、自分達の都合で子供を殺そうとする
身勝手なところは変わってなかったわけだ。

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