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958 名前:本当にあった怖い名無し :2010/02/12(金) 17:23:50
渡辺淳一の古い短編。タイトル忘れた。 ※エロはありません

主人公は年増の看護婦。
医者と長く不倫していて子供を中絶したことさえあるが、医者に離婚する気配はなく
見限って新しい道を探そうにもすでに婚期を逃している。
そんな主人公が新しく受け持つことになった患者は片足を骨折中の若く美しい人妻だった。
モデルの仕事をしていて優しい夫がいてしかも妊娠中でと
主人公が失ったもの、得られなかったものを全て持っていた。

その患者の世話をしていると主人公の心の中にドス黒い考えが次々湧いてきてしまう。
もうすぐギプスの交換がある。
それまでのギプスを外してむき出しになった足を地面に叩きつけたらどうなるだろう。
固まりかけた骨がもう一度折れれば骨は歪んでくっついてしまう。
脚の形が変わってもうモデルの仕事は続けられないかもしれない。
痛みで流産する可能性だってある。そのまま子供の産めない体になることも。
急な立ちくらみがしたと言えば大したお咎めは受けないだろう。
患者本人には何の罪もないのにこんなことを考える自分を主人公は恐ろしく思った。

ギプス交換の日。手際良くキプスを外しながら主人公は世間話を始めた。
「今みたいな骨が固まりかけてる時期が一番大事なの。ここでまた骨折なんかしたら脚が曲がってしまうのよ。」
「怖い冗談言わないでください。」とでも笑い飛ばしたいはずだが
何かを察したのか患者の顔はこわばり上手く笑えない。息も荒くなっている。
その口元を見ながら、主人公は意識を手放した。


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