ホーム » 小説 » 小説/や行 » 疫病船(皆川博子)

408 名前:本当にあった怖い名無し :2010/09/21(火) 11:00:55
皆川博子の短編。

「疫病船」
心を病んだ妻を持つ弁護士。ある日彼は娘が母親を殺そうとした事件を担当する。
娘は「自分達は死ぬべきなのです」という。母は「娘は気が違っている」という。
気になった弁護士が二人の過去を調べ始めるも、その間に娘は自殺。
やがて明らかになったのは、次のような事実であった。
母親の夫は兵役に取られていたが、戦争終結と共に復路船に乗り込んだ。
しかし船内でコレラが発生したため、軍部が本土の目前で上陸を拒否してしまった。
それに耐え切れず救命ボートを奪い、逃げ出してきた夫。
そんな彼に対し、この母娘は石を投げて追い返していたのだった。
だが、真実を突きつけた弁護士に対し母はふてぶてしくタバコをくゆらす。
「あんたも同じことを考えたりはしないのかい」
弁護士は、はっとする。自身の妻が自殺未遂をした時、いっそこのまま…と
考えてしまったことを思い出してしまったのだ。
追求を止めて逃げるように立ち上がる弁護士。母が奇妙に唇を歪めてEND。

 

悦楽園 (ふしぎ文学館)
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皆川博子作品精華 迷宮ミステリー編
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