アイのメモリー(乙一)
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557 名前:本当にあった怖い名無し :2010/09/26(日) 22:09:47
- 『暗黒童話』短編。うろ覚え
映画館の側で生まれた烏(からす)がいて、その烏は映画館から聴こえる声を覚えて喋れる烏になった
ある日、烏は盲目の少女と出会う。少女は喋る烏を人間だと勘違いして会話した
少女のことを気に入った烏は、人を襲って片方の眼球を抉り出し、その眼球を少女の元へ運んでプレゼントした
烏に言われるがままに少女が眼球を自分の目の中に入れると、少女の脳裏に見たこともない光景が広がった
眼が見えるようになった訳ではないが、眼球から見える不思議な光景に少女は喜び、
少女の笑顔に気を良くした烏は、それからも人を襲って眼球を奪って少女の元へ運び続けた
少女は眼球を宝石か何かのように大切にビンに入れて保管し、暇さえあれば眼球を自分の眼に入れて見える光景を楽しんだ
編み物をする光景、子供と遊ぶ光景、外国の土地。見える光景は眼球によって違ったやがて人々は眼球を狙う烏を恐れるようになり、烏は人間から狙われ、石を投げつけられたりするようになる
人々が警戒するために眼球が手に入りにくくなり、烏は焦燥感にかられるようになる
無理に人間を襲おうとしたため、烏は人間の反撃でボロボロにされていき、もう人を襲うことも出来なくなってしまう
瀕死の烏はせめて最後に少女の笑顔を見たいと願い、外傷も見当たらない新鮮な死体を見付け、その眼球を奪った烏は久々に少女の部屋を訪れ、眼球を差し出した
少女は嬉しそうに眼球を自分の眼の中に入れたが、途端に顔を曇らせ、苦しそうな叫び声を上げてのた打ち回った
少女は「黒い恐ろしい怪物が眼を奪おうと襲い掛かってくる」と言った
烏が眼球を奪った死体は、烏が眼球を奪ったショックで死んだ人だった
眼球から見える光景は、眼球の持ち主の人生の光景だった少女の母親が少女の部屋に駆けつけると、部屋中に幾つもの眼中が散乱しており、
狂死した少女とボロボロの烏の死体が転がっていた
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558 名前:本当にあった怖い名無し :2010/09/26(日) 22:13:00
- >>557
>烏が眼球を奪った死体は、烏が眼球を奪ったショックで死んだ人だったゴメン訂正。ただ単に殺人鬼か何かに拷問されて死んだ人だった気がする
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560 名前:本当にあった怖い名無し :2010/09/26(日) 22:33:00
- >>557
乙一の小説中の童話だよね。生きている人間の眼球を奪っていたころのと最後の死体の眼球の風景とが混じっているような気がするけど、
生きている人間の眼球
→「楽しい風景だけど変なの。どの風景でも最後に必ず黒い怪物が襲いかかってくるの」と少女が言う最後の死体からの眼球
→死体は処刑で町はずれかにぶら下げられた犯罪者。眼球を入れると犯罪を犯した場面か処刑された場面かの風景が映し出され、
そのショッキングな風景を見て少女は絶命。カラスもどうして少女が最後に恐怖に悲鳴を上げ苦しんで死んだのか分からないまま息絶えたってところも後味悪かったはず。