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483 名前:自治スレでローカルルール他を議論中 :2010/10/26(火) 19:21:41
乃波アサ(?)の短編

母1人、保育園児の息子1人と、母の内縁の夫、3人家族。
息子と内縁の夫は血は繋がっていないが、本当の父子みたいに仲良く暮らしていた。
息子はまだ小さかったが、通行人が必ず2度見するくらいの絶世の美少年だった。
母も自慢に思っていたし、周りの人はみんなちやほやしてくれた。
それに息子が笑いかけると、どんなに怒っている人も優しくなる、言うことを聞いてくれる。
だから、彼は怒られたことがほとんどなかった。
幼いながらも、彼は無意識に心得ていた。大人は自分の言いなりになるのだと。

夫の趣味は競馬だった。3人で競馬場に行くのが休日の日課だった。
息子は、その辺に捨てられてる外れ馬券を拾って集めるのが好きだった。
そして、それを義父や母親に見せてあげるのだ。
2人とも「こんなもの拾って~w」とか言いながらも、可愛いと褒めてくれるから。
ある日、いつものように競馬場で馬券を拾っていると、綺麗な馬券が落ちていた。
いつものように折れたり破れたりしてないし、ぐしゃぐしゃになっていない綺麗な馬券。
息子は嬉しくて嬉しくて、早速義父に見せてあげると、馬券を見た義父の目の色が変わった。
母と一緒に飛び上がって喜んでる。
「こんなの落とす奴ついてないな、でも息子よく拾ってくれた!」と、目一杯息子を褒めてくれた。
その日の夕飯は高級レストランだった。息子もとても嬉しかった。


484 名前:自治スレでローカルルール他を議論中 :2010/10/26(火) 19:23:48
息子は綺麗な馬券を探すことにした。もっと褒めてもらいたいし、美味しいものも食べたかった。
だが、なかなか落ちていない。うろうろしている息子に、怖そうなおっちゃんが話しかけてきた。
見かけとは違って優しいおっちゃんだった。ふと見ると、おっちゃんのズボンのポケットに綺麗な馬券が入っている。
それを、こっそり抜き取った。お父さんとお母さんに見せてあげるため、そしてレストランに行くために。
次は若いお姉さん達が話しかけてきた。にっこり微笑んであげたら、やっぱりキャーキャー可愛いと笑ってくれた。
そして、カバンの中から綺麗な馬券を抜き取った。
両親のところに戻り、馬券を渡す。
「すげぇまた当たってるぞ!!息子すごいぞ!!」義父はとても喜んでくれた。息子もとても嬉しかった。
3人で今日の夕飯は何にしようかと相談しているところに、向こうからさっきのお姉さん達が走ってきた。
「あの子よ!間違いないわ!」「本当に酷いよね!」何やら様子がおかしい。
すると、別のほうからさっきの怖いおっちゃんが、血相を変えて走ってきた。なぜかおまわりさんも一緒だ。
「子供を使って窃盗とはいい度胸だな!」
おっちゃんはなぜか、両親に向かって叫んだ。息子は驚いた。でも大丈夫だ。
なぜなら、自分が笑いかけたらきっと皆怒るのを辞めて、優しくしなってくれるから。
両親に笑いかけてみたが、2人とも笑うどころか呆然としたまま、息子の顔なんて目に入っていないようだ。
お姉さん達とおっちゃんにも微笑んでみた。結果は同じ。おっちゃんは義父に詰め寄る。
「お前は子供にどんな教育してんだよ!!!!」
おっちゃんの罵声を横に、息子がひたすら何でだろうとうろたえるところでEND

485 名前:自治スレでローカルルール他を議論中 :2010/10/26(火) 22:11:53
>「お前は子供にどんな教育してんだよ!!!!」

まったくだw
DQNざまぁでスカッとエンド


488 名前:自治スレでローカルルール他を議論中 :2010/10/26(火) 23:07:54
後味悪いが、親自業自得だよな。

乃南アサってこういう短編多いよな。


489 名前:自治スレでローカルルール他を議論中 :2010/10/27(水) 01:51:52
笑えばなんとかなるって思ってた子ども自身にも、
いい教育になったんじゃないの?
早いうちにがつんとやってもらえて良かったね

490 名前:自治スレでローカルルール他を議論中 :2010/10/27(水) 06:22:18
>>483
乙です
女性作家って庶民的というかスケールが小さいというか、
身近でリアルな後味悪い作品が多いですね
下手なオカルトよりもおどろおどろしい気がします

 

トゥインクル・ボーイ (新潮文庫)
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