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893 名前:1 :2010/12/13(月) 13:40:02
エロゲ注意。『殻の少女』というゲームが後味悪かった。
よくある女がレイプされて~とかの後味とはまた別のものだったので紹介してみる。

主人公の探偵と、1人の少女と、3人のシリアルキラーA・B・Cの話。
昭和30年代、東京で2件の猟奇殺人が起きる。死体からは首や四肢や子宮が欠損していた。
元刑事であった主人公は、当時の同僚刑事より依頼を受け調査を開始する。
被害者が都内の女子校の生徒であったため、学校側の協力の下、臨時講師として潜入調査を行うことに。
その矢先に出会う1人の少女(以下、ヒロイン)。
彼女は主人公を探偵だと見抜き、「本当の私を探して」と不思議な依頼をする。
正体をあっさり見破られた主人公は、気圧されるままにその依頼を受けてしまう。
のちに、少女は養子であり、本当の親を知らないことや、育ての親とは互いに距離感を
図れずにいることなどが明らかになり、依頼の意味が少しずつ見えてくるのだが、
この時点ではあまりに漠然とした依頼である。自然、話の焦点は殺人事件の方へと向かう。

進む調査。その過程でも2人の犠牲者を出し、のべ4人の女が凄惨な死に様を見せる。
そして5人目の女性が攫われたタイミングで、主人公は犯人Aの正体や動機を突き止める。

Aは潜入していた女子高の教師。事件の最初の犠牲者の兄である。
Aとその妹は、一度は戦災で生き別れになったが、Aが追いかける形でこの学園で再会していた。
他の家族は死に絶えていたため、彼にとっての唯一の肉親だったのだ。
幼き日の記憶を生きる糧にしていた彼にとって、妹は穢れの許されない存在だった。
だがようやく再会した時、妹は組織的な売春に身を委ねていた。戦災孤児ゆえの生きる手段だ。
しかしAにはそれが許せなかった。結果、彼は妹を殺害し、首以外を遺棄。
そして他の女の穢れていない部分をつぎはぎし、妹の身体を作り上げようとしていた。
だが、目的が成就する前に主人公に隠れ家を突き止められ、計画は失敗。
更に、主人公が腐乱した妹の首を間近で見せ付けたことで、完全に発狂してしまう。


894 名前:2 :2010/12/13(月) 13:41:57
こうしてAによる殺人事件は幕を閉じた。だが休む間もなく新たな猟奇殺人が起きる。
殺人といっても、発見されたのは四肢のみ。だが、指紋から女子高の生徒であることが判明する。
成り行きで捜査を進める主人公。四肢と同時に発見された「黒く塗られた鶏卵の破片」を手がかりに、
ヒロインの少女を連れて、上野美術館で開かれていた芸術家の個展を訪れる。
そこに展示されていた一枚の絵画『殻の少女』。
それは、割れた黒い卵の中から、四肢のない少女が裸の上半身を晒している奇怪な絵だった。
更に、絵画の中の少女はヒロインに酷似している。
しかし描かれたのは20年以上も昔であり、ヒロインがモデルであるはずがない。
では行方の知れぬヒロインの母親がモデルとなったのではないか?
これが『私を探して』の依頼の手がかりになることを予感しつつも、主人公は猟奇事件の捜査に戻る。

そんな折、主人公とヒロインの仲に嫉妬したヒロインの親友が、ある悪戯をするのだが、
それに悪い偶然が重なった結果、ヒロインが事故に遭ってしまう。
トラックに轢かれたヒロインは重体。四肢の骨は砕け回復もままならない。
加えてヒロインはボンベイ型という特殊な血液型のため、輸血も行えない。
(有事に備えて主治医がヒロインの血液をある程度確保していたが、圧倒的に不足)
そのため、ヒロインの祖父でもある病院の院長は、主人公には知らせず密かに「ある延命措置」を施す。

一方、猟奇事件の方は新たな犠牲者を複数人、生み出していた。
そこには主人公に近しい存在も含まれており、拠り所であったヒロインとも面会謝絶にされていた彼は、
気を違えんばかりに必死に犯人を追うようになる。
そして漸く犯人Bの存在に辿りつくのだが、その時Bはヒロインを病院から攫って逃亡していた。
さらに、ほぼ同時にBに関する様々な事実が明らかになる。


895 名前:3 :2010/12/13(月) 13:43:52
Bは、上野で個展を開いていた芸術家の息子だった。そしてヒロインの弟でもある。
芸術家は乏精子症(精子はあるが極端に少ない)であったため、子を成すことは諦めていた。
だがある時、芸術家の妻が妊娠を果たす。他人と性交渉した様子もない。
戦争の混乱期での話である。芸術家は、これは妻が一人で妊娠したのだと思い込む。
そして処女懐胎を果たした聖母マリアと妻とを同一視するようになる。
そこから始まる聖性への過剰な傾倒。その産物が、『殻の少女』の絵であった。
黒き無から生まれ出でようとする穢れなき少女。人間としての悪をなす腕はなく足はいまだ生えず。
そして彼は妻自身をも「作品」とした。四肢をもいで蝋で固め、地下室に封印したのである。
一方で生まれたヒロインにはさしたる興味も抱かなかった。彼はヒロインを郊外の教会へ預けた。
その後、芸術家は新たに妻を迎える。
今度の妻との間には、当時としては実験的な試みであった借り腹をすることで一児をもうけた。
それが犯人Bである。
Bは父である芸術家に迫害されていた。芸術家は後妻を娶いはしたものの、前妻の聖性に囚われており、
すぐに愛情を失い離縁する。血の繋がる息子は放逐こそされなかったものの、虐待の憂き目に遭った。
そして暴力を振るわれながらBが思い描いたのは、離縁される最後の瞬間まで父に媚び諂った母ではなく、
その父をも虜としていた『殻の少女』の存在であった。

やがて成長し、小説家として稼ぎを得たBは、密かに『殻の少女』の製作に取り掛かった。
まずは習作として4人の少女を攫い、四肢をもいで卵型オブジェに据える。顔は顔料で固めて似せた。
そして最後のターゲットがヒロインだった。『殻の少女』の娘。生き写しの少女。
Bは病院へ赴きヒロインを攫う。その時の少女の姿にBは狂喜した。
前述した通り、ヒロインは事故による失血状態にあり、院長である祖父から特殊な措置を施されていた。
その措置とは、肉体を生存最小限の構成とし、血の必要量を削減すること。
そうしてベッドに横たわるヒロインからは、四肢が喪われていたのである。
これこそが『殻の少女』だ。Bはその小さくなった身体を父の廃アトリエへと運び去った。


896 名前:4 :2010/12/13(月) 13:45:06
全てが後手に回っていた。主人公はBの正体を悟り廃アトリエへと急行する。
だがそこは既にもぬけの殻。地下から死蝋化した『殻の少女(ヒロインの母)』が発見されただけだった。
取り乱して当ても無くヒロインを探そうとする主人公だったが、友人刑事に諭され、
捜索を警察に任せることにする。そして自身は別の調査に取り掛かった。
それは、Bが病院からヒロインを攫う際、明らかにそれを手引きした者がいたということ。
その調査の末に、主人公は3人目のシリアルキラーCと邂逅を果たすこととなる。

Cは病院の精神科医。主人公とも幾度か遣り取りのあった彼は、AとBのカウンセラーでもあった。
Cには妻がいた。夫婦は子を熱望したが、敗血症により妻の肉体は四肢から壊疽し、やがて死亡する。
優秀な医師であった彼は、自身の力の無さと運命の非常さを呪った。
その一方で彼の元には、兵隊相手に春を売って身篭った娼婦達の堕胎依頼が溢れ返る。
彼にとってそれは命の軽視に外ならなかった。
そしてカトリックに過度に傾倒し、快楽としての性交渉やその末の堕胎措置を憎悪した。
その結果6年前に起こしたのが、妊婦連続殺人事件である。
主人公のかつての妻も、この被害者であった。
当時、妻はカウンセラーであるCに何気なく出産の不安を漏らしていた。
実際には「不安はあるが愛する夫との子供だからなんとしても産む」という発言だったが、
Cはその不安すらも許さず、殺害の標的としたのである。妻を失った主人公はこれがきっかけで辞職。
その後、Cは一度、行方を晦ます。そして名を変え顔を変えて今の病院での勤務を始める。
やがてAやBのカウンセラー役を担うようになると、言葉巧みに彼らを駆り立て犯行へと走らせた。
AやBが陥った聖性への異常な執着は、明らかにこの影響だった。

正体を突き止め、病院内で問い詰めた主人公に対し、Cは滔滔とそうした過去を語る。
完全なる笑顔であった。Cは自身が気がふれていることを自認している。
激昂した主人公が、この時のために辞職した際に盗んでおいた拳銃を向けるが、微塵も恐れる様子がない。
「こんな奴を殺しても復讐にもならない」と悟った主人公は、「お前の嫁さんも望んでないぞ」という
友人刑事の言葉もあって、Cを置いて病院から立ち去る。


897 名前:5 :2010/12/13(月) 13:46:21
その後、Bとヒロインの行方は杳として知れなかった。
誰もが諦め始めた頃、主人公はヒロインが描いていた絵を見るために学院を訪れる。
最後まで見せてはくれなかった絵。それは、飛び立つ鳥の姿を描いたものだった。
「お前はこうやって殻を破ろうとしたのか」そう呟く主人公。

一方、場面変わって、いずことも知れぬ夜行列車にて。
傍らに布で被せた「何か」を置いたBが、座席で揺られている。
車中に居合わせた幼い少年が、布の中が気になって覗きに来る。
Bは微笑んで、その布を少しずらす。常夜灯に浮かび上がる『殻の少女』。
意識があるのかはわからないが、光を浴びたヒロインがかすかに身をよじったように見えた。
裸であることを恥らうかのようなその動きに、まだまだ幼い少年は不思議な興奮を覚える。
そのさまを見ながらBは思う。『殻の少女』は完成した。そこにはもう僕すら余計なものだ。
Bは少年に「これは君にあげるよ」とだけ告げて、次の駅で列車を降りていった。

以上。
ヒロインが施されたのはあくまで延命処置だし、絶対安静状態だったので、
Bに攫われたためにラストではほぼ死に掛けていたと思う。あるいは既に死んでいたのかも。
ゲームなのでプレイヤーの選択次第でストーリーは多少変化するけど、自分が書いたのが本筋。
また、どう変化してもヒロインが四肢を奪われる展開は変わらなかったりする。
更には、犯人Aは発狂まで追い込んだけど、Bは望みを果たした上に逃亡、Cはとうに一線を越えて
生とか死とか超越したところまでいっちゃっててどうしようもない。
途中猟奇シーンもたくさんあってトラウマにもなるけど、後味という意味でもかなり悲惨だった。


902 名前:本当にあった怖い名無し :2010/12/13(月) 15:31:23
>897
京極夏彦の「魍魎のハコ」(漢字でてこず)も読んでみるといいよ 映画もある
それのオマージュだから

 

殻ノ少女 初回版
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