冠を持つ神の手/ヴァイル裏切りED

667 名前:『冠を持つ神の手』ヴァイル裏切りED1/6 :2011/03/02(水) 22:50:30.96
ゲーム『冠を持つ神の手』のヴァイル裏切りEDが後味悪い。
ここのまとめサイトでこのゲームの別EDの話が投下されてたのが
載ってて見たんだけど、このEDも相当後味悪いと思う。

長くてごめん。一応>>672の最初の3行が3行でまとめろバージョン。
長ぇよ!て人はそっちをどうぞ。

『冠を持つ神の手』ってのは育成SLGで、親を亡くした天涯孤独の身の上の主人公が
「あなたは実は王様候補だったんです!」とお城に連れてかれ、
そこでライバルと競い合いながらさあ王様になれるか!?て話。

この国では王様は血筋とか関係なく、額に“神様が選んだ特別な人間であるという証”である
選定印があることだけが絶対条件。
つまり主人公は額に印があるってだけで高貴な生まれかどうかは不明。
(ただ印がある人間はなにをやらせても完璧なスーパー超人ばかりだったので
 こんな決め方しても特に問題はなかった)
ライバルであるヴァイルにもその印があり、主人公とヴァイルの二人は
成人するまでの一年間、お互い切磋琢磨しながらどちらかが王になるため励むことになる。

って言っても実際のところ、ゲーム上は別に王様になってもならなくても良くて
主人公を育成しながらゲームに出てくる他キャラと交流させて
人間関係を作ってその結果で各EDを迎えるってのがこのゲームの肝みたいな感じ。

主人公→攻略キャラ、攻略キャラ→主人公に対する好感度がそれぞれあって
その組み合わせで色んな関係になる。互いにラブラブになって愛情EDってのだけじゃなく、
無二の親友になるってものや、相手にものすごく憎まれて刃向かわれたり、こっちが憎んで相手を殺すとか色々ある。
愛憎の果てに執着されて監禁されたり、逆に執着して支配したりとかも。


668 名前:『冠を持つ神の手』ヴァイル裏切りED2/6 :2011/03/02(水) 22:52:39.46
男女問わずそういう展開になるんだけど、主人公はというかこのゲームの登場人物は
子どもの間は性別のない未分化で、成人するにあたって
自分の意志で男女どちらかを選ぶ、性別が固定されていない種族。
そのため主人公の性別もゲームの最後(一年後の成人直前)に決定される。
なもんだから愛を誓った相手と同じ性別を選ぶという事も可能。
その結果、裏切りEDを迎えられる。

その裏切りEDではキャラクターによって「もう一度選択やり直せ」と直訴してくる奴とか、
「気持ちは伝わってると思ってたけど違ってて自分馬鹿みたい」とか涙ぐんじゃう奴(ちなみに男)、
「構わない、これも自分の愛を試す試練みたいなものだ。自分は変わらず愛してる」ってなる奴(ちなみに女)と
性格がでてて中々面白いのだけど、くだんのヴァイルは自分も未分化なので、
主人公の事を好きだと成人の日を迎える最後の日に主人公にどっちを選ぶか聞いてくる。

ヴァイル自身は元々男を選ぶつもりだったので「女を選ぶ」と言うと、
良かった嬉しい、やっぱ自分が男で主人公が女ってのがしっくりくるよとむちゃくちゃ喜び、
自分は男を選ぶと約束する。

逆に主人公が「男を選ぶつもり」と言うと、戸惑いながら今さら女としての人生考えるのか、
どうしようと迷いながらも、主人公のため自分の考えを捨て女を選ぶと約束する。
その後に「選ぶ」と言った性別とは逆の性別を選べば裏切る事ができる。

ヴァイルは登場時から明るく元気、主人公にまっすぐ好意を向けてくるので屈託がないように見えるが、
交流するうちにヴァイルが実際は心に空虚を抱えている人物だという事が分かる。


669 名前:『冠を持つ神の手』ヴァイル裏切りED3/6 :2011/03/02(水) 22:54:53.61
幼いころに事故で母親と死に別れ、父親は幼いヴァイルを置いて出奔。
(父親は見聞を広めるため世界をみる、そのため海に出る、と行ったがおそらくは海で死んでる。
 父親は色々複雑な事情があって死を覚悟して出ていったぽい)

ヴァイルは父を追いかけたかったが、王になるという未来が決められており
そこから外れることは許されず、見送るしかできなかった。
(元来、印をもつ人間というのは一世代1人が基本だったので次の王は
 ヴァイルしかいないと思われていた)

おまけに印のある人間は神に愛されているので、死んだ後は神の側に召しあげられるという信仰があり、
つまりヴァイルは死んでからさえも母親や父親にはもう二度と会えないのだという事を幾度となく突き付けられてきた。

今一番ヴァイルの近くにいる人たち、そのうちの一人の伯母(父親の姉で現王様)は
ヴァイルに優しいが王として公明正大な人なので特別な存在にはなれず、
退位後は実家の領地に帰るとヴァイルは知っている。
その息子である従兄はヴァイルと憎まれ口を叩きながらも本当はお互いを大切に思っているが、
彼は城を心底嫌っているため伯母の退位後は彼もまたここを出ていくだろうと分かっている。

自分の大事な人は皆、自分を置いて去ってしまうという諦めをヴァイルはいつも感じていた。

そこに自分と同じ印を持った主人公がやって来ると聞き、
ヴァイルは主人公なら城にとどまってくれるかも、とかすかに期待して好意的に振舞っていたのだった。

ついでに言うとただ定められた未来だった「王になる」という事が主人公と競うことによって
「玉座を勝ち取る」という風に変わり、毎日に張り合いが出てきたのだった。
主人公の存在はヴァイルにとっては僥倖であった。


670 名前:『冠を持つ神の手』ヴァイル裏切りED4/6 :2011/03/02(水) 22:56:56.63
そしてヴァイルにかまわれる度に主人公が「城が好き」「ここは楽しい」「ヴァイルの事も好き」という様に答え、
じゃれ合うように日々を過ごしていると、ヴァイルの心はどんどん主人公に傾いていく。

いつしか主人公の事が好きになり、ヴァイルは主人公に傍にいて欲しいと願うようになるが、
今まで自分が大事に思っていた人たちは皆去っていったため、
ヴァイルは主人公に「好きだ」とは伝えられないのであった。

その代わりに主人公を湖に誘い「ずっと側にいて欲しい」と訴える。
「自分を置いてここを出ていかないと、約束して」と。
ヴァイル自身無茶苦茶な願いだと分かっていての訴えであったが、主人公はヴァイルの手を握り、約束する。

その後、主人公から愛の告白をするとヴァイルは
「側にいて欲しいとはずっと思ってたけど、ただ居てさえくれればそれだけで満足で、
 期待なんかしちゃ駄目だってずっと思ってた」
と嬉し泣きをし、主人公がそれを慰めるという展開もある。

そして日々が過ぎ、成人の日を目前に控えたヴァイルは前述のように主人公に
性別の選択について尋ね、その後に大人になったら伝えたいことがあると告げた。
(ちゃんと愛情に進むと結婚の申し込みがあるので多分それ)

そして迎える成人の日。
主人公はヴァイルを裏切り、伝えたのとは逆の性別を選んだのだった。

それを知ったヴァイルはその日の夜、周囲の制止をふりきり主人公の部屋に押しかけ
真偽を問いただすが裏切りが本当だったと分かり、憔悴する。


671 名前:『冠を持つ神の手』ヴァイル裏切りED5/6 :2011/03/02(水) 22:59:28.46
「聞き間違えかと思ったけど、間違えるはずないよね」

そう言うとヴァイルは主人公に何度も謝り始めた。本当は自分の事が嫌だったんだねと。
無理は言わないし、もうこれ以上つきまとったりもしないから、と言うヴァイルは
思わずといった様子で「だから、ここにいて欲しい」と言いかけ口をつぐむ。
そして最後にもう一度「ごめんなさい」と呟き、その場から去っていったのだった。

その日から主人公は性別が変わりきるまで部屋にこもっていた。
未分化の状態から決まった性別に変わることは、体が作り変わることなので安静が基本なのだ。
使用人たちの世話を受けていた主人公だが、変化が終わり
外に出てみるとヴァイルの従兄が血相を変えて主人公に詰め寄ってきた。

元々この従兄は主人公を嫌っていたが、明らかに今までとは様子が違っていた。

「……お前のせいだ。私はお前を絶対に許さない。お前をヴァイルの前に引き出して頭を下げさせてやる。
 その後すぐにこの手で魔の国(地獄みたいなもん)に叩き落してやるから覚悟しておけ!」
激昂した従兄は主人公にそう言い放った。

その後王座につき、継承の儀を終えた主人公の元をヴァイルの伯母が訪れる。
彼女は何も責めはしなかった。時々こういうこともあると言い、
まさかヴァイルにそれが起こるとは思っても見なかったが、気にかけてやれば何か変わっていたかと一人ごちた。
そしてふと呟く。

「あやつは大人になれなかったのだな……」

ヴァイルは主人公の裏切りにより、傷ついた心に更に深い傷を負い、
精神が不安定になったことにより性別分化しきれず、体調を崩し、そのまま命を落としたのだった。


672 名前:『冠を持つ神の手』ヴァイル裏切りED6/6 :2011/03/02(水) 23:02:36.81
期待をかけるだけかけさせて最後にどーーーん!
孤独に苦しんでた相手が勇気を振り絞って伝えてきた好意を土壇場で裏切るとか、
かなり鬼畜な所業だとは思ったけど、まさか死ぬとは思ってなくて後味悪かった。

操作してるのは自分だから全部自分がやってるんだけど、
他の裏切りはそれはそれで面白かったから気になって見てみたら思わぬショック受けた。

ちなみに主人公の行動は全部好きに選べる。湖で約束しないでもいいし、
その状態で「好きだよ」とか言ってもいい。
そうすると「何なんだあんた。やっと諦めようと思えたのに、自分の気持ちもてあそんで楽しいか」
みたいな話になって可愛さ余って憎さ100倍な展開になる。
その後、選択によっては最初の説明で出した愛憎の果てに執着され、監禁っつーEDになる。

ちなみに従兄と2股かけた状態でヴァイルを裏切るというのもできる。
これも結構後味悪い。従兄は最初主人公を憎んでるけど、ある事件をきっかけに色々あってラブラブになれる。
でも主人公の裏切りによるヴァイルの死を目の当たりにした従兄は主人公を許せず、前述のように主人公を責め、
国を出て二度と帰らない。でも、クリアした後に見られる最終的なそれぞれの好感度の状態を見ると、
従兄の主人公に対する感情がまだ「愛している」で、
主人公は二人の気持ちをずたずたに引き裂きましたって終わり方でおお…、と思った。

これに限らず遊び方によって相当後味の悪い遊び方ができるんで、
このスレの話が好きな人にはお勧めじゃないかと思う。


673 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/02(水) 23:04:44.10
長えな。
誰か要約してくれ。

681 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/03(木) 00:05:37.49
>>673
無性で生まれて成人する際に性別が選べる種族の子供同士が恋仲になった
しかし片方が土壇場で裏切り、相手と同性を選んでしまう
裏切られた方は元々不幸な生い立ちで情緒面が不安定だったこともあり、
身体の急激な変化に精神が耐えられず子供のままあぼん
まさか死ぬとは思わなかったんで後味悪かった

685 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/03(木) 01:08:14.50
>>681
素晴らしい要約ですな

686 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/03(木) 02:01:36.82
でも>>681だけだったらイマイチなんだよね
難しいね