ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その121 » 神様にだってあたしたちは引き裂けない

10 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/15(火) 22:20:47.86
エロ漫画より

主人公の少女は見世物子屋で働いている。
彼女は先天的な奇形のため、双子の片割れと体が癒着していた。
上半身は二人分あるが、腰から下はくっついていて一人分しかないのだった。
他のメンバーらと共に各地を転々としては、専用の豪奢な衣装を着て人々の前で合唱するのが二人の仕事だった。
「神様にだってあたしたちは引き裂けない」そう主人公は思っていた。
でも、おっとりとした片割れに対してはあまりデレる事なく、サバサバと厳しい発言が多かった。

今回訪れている街での仕事は、残すところ夜の一公演だけだった。
片割れは、街と別れるのがさびしいと言ったが、客も少ない田舎だしせいせいする、と主人公は逆の意見を述べた。
夜の公演まで暇を持て余していたところ、一人の少年が遊びに出かけないかと誘いにきた。
少年はこの土地の者で、何度か公演を見に来た縁で、片割れの方と仲良くなっていた。
片割れは誘いを喜んだが、主人公は面倒だといって拒んだ。
少年は諦めず、占い小屋が面白そうだと言って尚も誘ってくる。
あんなた占い当たらないわよ、と主人公は冷たく言う。
双子は既に一回占いを見てもらっていたのだが、それによれば、双子は前世で恋人同士だったのだという。
引き裂かれそうになった恋人たちが、抱き合いながら海に身を投げ、
そしてもう離れないよう二人で一つの存在に生まれたのだという。
その事を話し「くだらない」と主人公は言うが、片割れは本当だったら素敵ねと笑う。
そこに雨が降って来た。双子と少年は近くの小屋に飛び込み、結局遊びには出ない事になった。
眠くなった主人公はその場で寝る事にし、公演の時間が迫ったら起こすよう片割れに言った。

つい片割れに対してツンツンしてしまうが、本当は主人公も、占いが本当ならいいなと思っていた。
占いで言われた事を主人公は夢で見た。主人公が男、片割れが女となり、愛し合い来世を共に誓うという夢だった。
しかし、その夢の途中、片割れは主人公の腕をすり抜け、少年の方へと走り去って行ったしまった。
そこで主人公は目覚めた。横を見ると、片割れが少年とキスをしていた。


11 名前:本当にあった怖い名無し :2011/03/15(火) 22:23:41.08
主人公は少年に殴りかかった。殺してやると叫び怒り狂うが、それを片割れが止める。
片割れの髪は乱れ、胸元にはキスマークがついていた。片割れは、自分が少年に頼んだのだと話す。
そんなの嫌だ、こんな男はお断りだと尚も息を荒げる主人公に、
僕は二人ともが好きだよと少年は言う。主人公は少年の胸ぐらをつかんで叫ぶ。
「同じ事を教会の扉の前で言える?たくさんの人の前で誓える?
 あたしたちを身請けできるわけでもないのに、それともどこかへ逃げてくれる?
 このなりでどこまで行けるっていうの」
片割れは「そんなのわかっている」とつぶやく。
それでも今だけは愛し合いたい、許してほしい、と片割れは泣いた。

結局、主人公は二人の行為を認めた。
片割れと少年が歓喜の声を上げる横で、片割れが感じているのと同じ感触を、
「体の中心から引き裂かれる痛み」だと主人公は思い、
神様にも引き離せないと思っていた片割れが遠くなっていくのを感じた。

「うれしい やっと一つになれた」と嬉し涙を流しながらの片割れの言葉を聞きながら、
主人公は涙を流して「やっぱりあたしたちの前世が恋人同士なんて嘘だよ」と思った。

おわり


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