ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その121 » ネジの叫び(山岸凉子)

297 名前:1/2 :2011/04/08(金) 18:06:25.51
似たようなの思い出した山岸凉子の短篇漫画「ネジの叫び」

富豪の娘セシルとイケメンジョージが結婚する。しかしジョージはセシルの家の金目当てだった。
セシルは気立ては良いが地味ブサで、毎日する事といえば朝に家宝のボンボン時計のネジを巻く事だけ。
そんなセシルに新婚早々から嫌気がさしたジョージはセシルのいとこの派手美女ベスと遊び歩く。
それでもセシルは結婚前の優しいジョージを思い出し「私は間違ってない」と自分を慰める。

ある日セシルはヨットを購入し、ジョージに見せる。
二人のなれそめはヨットセイリングだった。
ヨットを見たジョージは急にセシルが哀れになりそのままセイリングに誘う。
今日はまだすることが…と戸惑うセシルを強引に連れ出し海に出るが、天候急変大嵐で転覆する。
ジョージはどうにか船に捕まるがセシルは離れてしまい、ジョージはそのまま助けなかった。


298 名前:2/2 :2011/04/08(金) 18:08:47.99
「あの際は仕方なかった助けていたら俺まで死ぬかもしれなかった」
と言い訳しながらセシルを弔い今後の金持ち独身生活に思いを馳せるジョージ。
しかしその翌朝から、セシルの幽霊が現れる。
毎朝10時に居間に現れては時計のネジを巻くのだ。
ジョージは数日でノイローゼ状態になり、ベスの元に逃げ込んでしばらく世界旅行でもしようと誘う。
しかしベスが言うには「どこにそんな金があるの。あんたは一文無し」。

ジョージの手元にある財産相続の書類には最後にセシルのサインが必要だったが、
セシルの父親はジョージの本性をうっすら感じ、ずっとセシルにサインをさせていなかった。
それでもセシルは自分で弁護士を呼んで立ち会ってもらいサインしようとしていた。あの事故の日に。

ベスにすがるも「あんたなんかもうどうでもいい。セシルに対抗してただけだし」と言われ、
「ちくしょう今に見てろ」とジョージはとりあえず家の金目の物を車に積めて夜逃げする。
しかし夜があけ運転中ふとバックミラーを見るとあのボンボン時計が映る。
「あんなもん持ってこなかった」と驚いて振り返れば水浸しのセシルが笑ってネジを巻いていた。
ジョージは運転をあやまり崖から転落する。

「あの大怪我でよく助かったもんだが」「結果として今ここに居るんじゃ、よく、なのか悪く、なのか…」
精神科の医者がひそひそ会話をする。ジョージは今でもセシルがネジを巻く音を毎日聞いている。

 

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