ゆがんだ復讐

小学生のAが夜中トイレに入っている時、A宅に強盗が押し入り、両親と弟を殺害して逃走した。
Aは伯父の家に引き取られ、犯人の少年Bは少年院に送られた。
時が過ぎ、更生したBは少年院から出所し、立派な青年となり、土建会社に就職して、幸せな家庭を築いていた。
一方、Aはずっと復讐の機会をうかがっていた。Aが20歳になったとき、Bの母を事故に見立てて殺害した。
Aが23歳になったとき、Bの父を事故に見立てて殺害した。
Aが29歳になったとき、Bの娘を籠絡し、薬を使い、自殺に見せかけて殺害した。
Aが34歳になったとき、街のチンピラを操り、塾帰りのBの息子を殺害させた。
同じ年、やはり精神不安定になっていたBの妻を籠絡し、電車に飛び込ませた。

全てを失ったBの前に現れるA。「僕の気持ちが少しは分かったかい？」とほくそ笑み、
「オレの家族を返せ！このサイコ野郎！！！」と怒り狂うB。
怒りのままにナイフをAの心臓に付きたてる。
だが、その男はAではなく、Aが雇った影武者Cであった。
すぐに警察に逮捕されるB。全てはAが仕組んだ罠だったのだが、警察はそれを立証できない。
Bには二度目の殺人という事で、死刑判決が下された。
Bの死刑執行の日、Aには初孫が誕生した。
更に数十年後、Aは妻と息子夫婦、多くの孫、ひ孫に看取られながら眠るような顔で安らかに旅立った。

主人公のジョリーンは姉の仇を討とうとするエルメェスを止める。
それに対しエルメェスは「復讐とは生きている者が心に決着をつけ、前へ進むための儀式」と言い放ち
見事仇を討つ…って流れ。

コナンとか金田一少年にありがちな「死んだ人は云々～」より
ずっと納得できたな。