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718 名前:1/3 :2011/05/03(火) 12:47:33.29
砂と霧の家(2003)

イランからアメリカに亡命してきたベラーニ大佐の一家。
イランでは裕福な暮らしをしていたらしい。
アメリカでの生活も表面上は裕福だが、家計は火の車。
息子の授業料もままならないし、マンションの家賃も払えなくなりそうだ。
ベラーニはスーツを着て出勤してはいるものの、
実際は家族に内緒で工事現場や深夜のレジ打ちなどで必死にお金を稼ぐ。
そんな中、彼は競売にかけられた一軒の家を手に入れる。

家の元の持ち主はキャシー。
長年の所得税の未納で、軍によって家を差し押さえられた。
元アル中で、愛想を尽かした亭主にも数ヶ月前に出て行かれている彼女は、
現在の所得がゼロ。以前、所得税免除の手続きもしていた。
しかし返信された書類の封も切っていなかったため、それが認められるかどうかは難しいと弁護士は言う。
それでも、ベラーニが支払ったのと同額で、もう一度軍に家を買い取ってもらえることになる。
数日後には、故郷から母とおばが来る。離婚のことは言っていない。
くわえて父に買ってもらった家を差し押さえられたなどとは絶対に言えない。
キャシーも必死だ。

そんな話、ベラーニはもちろん納得しない。
妻と息子のためにも、彼はこの家を売って、さらに儲けようとしていた。
市場価格は元値の4倍らしい。それなら4倍の値で買い戻せ。
いてもたってもいられないキャシーが家に乗り込んで行くも、ただケンカになるだけ。
家の差し押さえの時にキャシーと知り合い、そして良い仲になった保安官のレスターも家に押しかける。
「俺が口をきけばお前らを強制送還させることもできる」とベラーニを脅すが、ベラーニはひるまない。

キャシーと、彼女と暮らすために妻と子を捨てて家を出たレスターは、山小屋に住むようになった。
もう一度きちんと妻に別れを告げてくるからと山小屋を出るレスター。
しかし、彼は夜になっても帰ってこない。
裏切られたと自暴自棄になった彼女は、断っていた酒をのみ、ベラーニのところに向かう。


719 名前:2/3 :2011/05/03(火) 12:50:30.45
家の前で拳銃自殺を図ろうとするも、安全装置がきいていたのか失敗。ベラーニ一家に保護されるキャシー。
一家は確執を忘れ、傷ついたキャシーを手厚くもてなそうとするも、彼女はバスルームで服毒自殺を図る。
ベラーニの妻がいち早く気付き、どうにか薬を全て吐き出させた。
ベラーニと息子は彼女を気の毒に思い、この家から出て行こうかと考え始める。

レスターが家にやってきた。
レスターは揺れていたものの、キャシーを捨てたわけではなかった。
妻との会話中に署からベラーニ脅迫の件で連絡があり、遅くなってしまったのだ。
家に踏み込み、ぐったりとしたキャシーを運ぶ一家に銃を向けるレスター。
弁明にも耳を貸さず、レスターは一家をバスルームに閉じ込めた。
ベラーニは交渉を持ちかける。
「家を軍に買い戻させる。その金はキャシーとレスターに渡すが、自分たちはここに住まわせてくれ」
こんなことをしてまで家を返して欲しくない、もう良いというキャシーの反対を押し切り、レスターはその話をのむ。

次の日、レスターに連れられて軍にやってきたベラーニとその息子。
一瞬の隙をつき、息子がレスターの銃を奪い、それをレスターに突きつける。
ベラーニが「この男に脅されている」と周囲に助けを求めると、警官が集まってくる。
しかし警官たちは、銃を構えている息子を撃った。
胸を撃たれた息子はすぐに病院に運ばれるが、ベラーニの必死の祈りも虚しく、おそらく即死だったようだ。
呆然とするレスター。警官たちの声も聞こえない。
キャシーは海辺で鳥を見ながら物思いにふけっていた。

夕暮れ。家のテラスでお茶を飲むベラーニ夫婦。向こうに見える海に目をやりながら、とても穏やかな表情で語り合う。
ふと、妻の体が崩れる。お茶には毒が入っていた。
イラン時代の軍服に身を包んだベラーニは妻をベッドに寝かせ、自らはビニールを頭から被る。ガムテープで完全に密封。
海辺での親子の思い出を浮かべ、妻の手を取りながら、ベラーニは死んだ。


720 名前:3/3 :2011/05/03(火) 12:53:53.67
夜。家にやってきたキャシーは、ベッドの上で事切れている夫婦を目にする。
ベラーニの顔に張り付いているビニールを必死にはがし、人工呼吸。しかし手遅れだった。
号泣するキャシー。

家に来た警官隊が引き上げていく。
「ここはあなたの家です」一人の警官が言った。
しかしキャシーはタバコをくゆらせながら言う。「いいえ、違うわ」

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見事なまでにみんなが不幸になる話だった。
俺はベラーニ視点で観てたんだけど、誰に感情移入してもヘコんじゃないかな。

ちなみにレスターは刑務所?から家族に電話(でも留守電だった)してる描写あり。
こいつが一番ムカつくわ。


722 名前:本当にあった怖い名無し :2011/05/03(火) 15:44:50.61
>>718
ベラーニも最終的にはその家に執着してたってこと?
そこで家庭を築きたかったのかな。だとしたら、結果として
その家はベラーニの家(家庭)にもキャシーの家(家庭)にも
ならなかったのが皮肉っぽい。

 

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