ホーム » 小説 » 小説/た行 » 沈黙(遠藤周作)

169 名前:本当にあった怖い名無し :2011/05/29(日) 00:36:40.75
遠藤周作「沈黙」
読んだのかなり昔なんで違ってたらすまん。

日本でキリシタン弾圧が苛烈を極めていた時代、ローマのカトリック総本山に
日本に布教に行った人一倍信仰心篤く人格的にも優れたA神父が転んだという連絡が入る。
A神父ほどの人物が死よりも改宗を選ぶとはとても信じがたく、
教会側は主人公を含めた数名の神父を日本に派遣し真相を探らせる。
長崎に辿り着いてからの彼らの困難は筆舌に尽くしがたいものだった。
奉行所の連中から山中を逃げ隠れするうちにバラバラにはぐれてしまい、
ある者は野垂れ死に、ある者はキリシタンの農民らとともに殉死する。
やがて一人生き残った主人公は捕らえられ、奉行所に引き立てたれる。


170 名前:本当にあった怖い名無し :2011/05/29(日) 00:38:47.93
そこで会った奉行はキリシタンを厳しい拷問にかけ、A神父を転ばせたとは
到底見えないような柔和で穏やかな老人だった。
主人公はどんな拷問だろうが絶対屈しないと意気込むがひとまずある建物に幽閉されただけだった。
そこは便所の汚水槽にあたるのか、ひどい匂いとどこからか風が入って
ヒューヒューうるさい音がするだけで
居づらいほどではなく、主人公はとりあえず休む事にした。
翌日再び奉行の前に引き立てたれた主人公の前に現れたのはA神父だった。
なぜ転んだのかと詰る主人公にA神父は見えない、答えない沈黙を続ける神への忠誠心よりも
今目の前で苦しむ同じキリシタンを救いたかったと答える。
A神父は「君もあの部屋に入れられたなら分かるだろう」
主人公「?昨日入れられましたが別に普通の部屋でしたよ。
風の音にはさすがに辟易しましたが」と答える。
その言葉にA神父はもとより奉行も部下たちも絶句する。
A神父は伝える。「あれは風の音ではない。穴吊りにされて苦しむ信者たちの息の音だ」と。

その後エピローグに飛び、主人公も転んだことが分かる。
主人公とA神父はそれぞれ別の寺に預けられ、時々托鉢などで顔を合わせるが
互いに転んで改宗した負い目や自己嫌悪で相手の顔が見れない。
地元の子供からは転びキリシタンとして見下され石を投げられる日々だった。

個人的に風の音が信者たちの声だと分かった下りがすごく怖かった。


171 名前:本当にあった怖い名無し :2011/05/29(日) 00:45:58.05
>169
風の音じゃなくてイビキにきこえてたんじゃなかったっけ?

怖い話だったけど、その後いろいろ余計なことを知るにつけ
主人公は耐えられなかったけど、もっと本気のアレな人とかなら
他人が苦しんでようが、苦しみの先には救済があるのです!とか
言いだして効果ないんじゃないかとか、白人神父と日本人信徒の
間にはなにか言うに言われる壁があるんじゃないかとか思ってしまう。


172 名前:本当にあった怖い名無し :2011/05/29(日) 01:38:18.96
>>171
そうだったのか、すんません。

208 名前:201 :2011/06/02(木) 18:44:43.86
>>169
「沈黙」では転んだ後の主人公が、自分を裏切って奉行所に密告した
ユダのような男に赦免と祝福を与え
「自分は本山から見れば大罪を犯したことになるが、それでもかまわない」的な
ことを思うシーンが悲しく美しく感じました。

以前文学板で見つけた、後味は悪くはないけれど、「当時はこんな反応もあったのか」
と感じたエピソード

795 :無名草子さん:2007/11/24(土) 19:29:09
四国のクリスチャンな男子校に伝わるエピソード
「沈黙」が発表された時分のこと。
時の校長が、激しい口調で
「沈黙にでてくる神はキリスト教の神ではない。生徒に読ませてはいけない」
と遠藤周作のキリスト観を批判。
それを聞いた生徒が本屋に殺到。
その日、近隣の本屋から「沈黙」が消えたということだ。

 

沈黙 (新潮文庫)
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