ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その122 » 鋼の錬金術師/ヴァン=ホーエンハイム(荒川弘)

675 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/30(木) 10:15:25.87
鋼の錬金術師という漫画

奴隷の少年は、名前すらなく番号で呼ばれ、主人にこき使われる日々を送っていた。
錬金術を嗜む主人は、術に使うからと少年から大量の血を抜いていった。
死に至りそうなほどの量を抜かれたが、その甲斐あってか、
主人は少年の血をもとにして、ホムンクルスと呼ばれる人造人間を造り上げた。
生殖ではなく知識の結びつきによって生まれるホムンクルスは、伝承通りに生まれた時から全知を持ち、
姿は「人造”人間”」というには程遠い、影が球状に固まった化け物だったが、字も書けない少年よりよほど博識だった。
ホムンクルスは聡さからくる傲慢さを持っていたが、少年の事は「血を分けた家族」として慕っていた。
労働に追われるだけの少年に「自由と権利が欲しくはないか」と訊ね、
少年にヴァンという名前を与えて、
ヴァンを奴隷階級から逸脱させるためにホムンクルスはヴァンに教育を施すようになった。

ホムンクルスはフラスコの中で生まれ、現在もフラスコの中で暮らす小さな存在だった。
全知を持ってはいたが、フラスコを割られれば死んでしまう弱い存在でもあった。
ヴァンは知識を与えられてから数年で、使い捨て奴隷という立場から脱して重宝される使用人の立場にまでなった。
孤児だった彼は、妻を得て子供をつくるという夢も果たせるかもしれない、家族ができるかもしれないと喜んだ。
お前にも望みはあるかとホムンクルスに訊ねると、フラスコから出て自由になりたいとホムンクルスはつぶやいた。

ヴァンはどんどん学を深めて昇進し、本人は気づいていなかったが錬金術の腕は主人を超えるようになった。
知識人として重宝される立場はかつてとはまた違った忙しさがあり、
死にそうなほどに血を抜かれた過酷な奴隷時代は遠ざかっていた。
「奴隷だった頃が懐かしい」と過去を美化して笑うまでになったヴァンは
「自由と権利」のない者の気持ちを忘れてしまっていた。

時の王様は老齢にさしかかり、不老不死の法を求めていた。
ホムンクルスは、王様を不老不死にする法を教えろ、教えなければフラスコを壊して殺すと迫られた。
不老不死にするための術に必要だとして、ホムンクルスは国の四方で大量虐殺を起こして人柱をもうけるよう指示した。


676 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/30(木) 10:17:55.38
ヴァンが中年男性になる頃、必要なだけの犠牲は揃い、王様を不老不死にするための術式が行われる事となった。
そのために各地で虐殺があった事をヴァンは知らされておらず、術が行われる際は、
ホムンクルスの入ったフラスコを抱えながら、王様が不老不死になる事に純粋にわくわくしていた。
が、実はその術は、虐殺地点を円でつないだ際の中央の人物だけが不老不死になり、
その他の円内の人物は皆、不老不死のための養分として魂を奪われ死亡するというものだった。
中央に配置されていたのはヴァンとホムンクルスで、
ヴァンが気づいた時には、彼とホムンクルス以外の全国民が死んでいた。
ホムンクルスは全国民の半分の魂を得て得たエネルギーで、
ヴァンの外見を模した体を造り自分のものにして、フラスコから脱した。
ヴァンも残り半分の量の魂を得て、数十万人分のエネルギーが尽きるまで生きられる不老不死の身となった。
ホムンクルスはヴァンに喜ばれるつもりだったらしいが、
ヴァンは事態に恐怖し、自分と同じ姿になったホムンクルスを置いて国外へと逃げた。

国の外には砂漠が広がっていたが、ヴァンは何度死んでも甦る体質となっていたので、
ろくな装備もなく徒歩で逃げだしたものの進み続ける事ができた。
親切な旅の商人に拾われて他国へ行った後、ヴァンは不老のまま数百年間を生きた。
田舎町で女児と出会ったヴァンは、十数年の交流の末に不老である事を彼女に知られたが、
それでも受け入れてくれた彼女と結ばれ、子供ももうけ、かつての夢だった家族をやっと得た。
数百年のうちにヴァンは、不老不死の体を受け入れていたが、
成長する子供に対して自分は不変のままでいる事に苦痛を感じ、
妻と共に老いて死ぬために普通の体に戻る方法を探した。
自分の体内にある同胞の魂たちも解放してあげたいと願い、
同じく魂を身の内に持つホムンクルスも自分が葬らねばと思うようになった。


677 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/30(木) 10:19:19.90
ホムンクルスは、ヴァンの体を複製したものの生殖能力は有さず、自分のコピー体のような分身を何人も造り、
コピー体たちに「お父様」と呼ばせて擬似的な「家族」を築き数百年間をすごしていた。
ヴァンは苦心の果てにホムンクルスを倒した。ホムンクルスは体を瓦解させながら、
「誰にも縛られず自由になりたかった」と言って消えた。
ヴァンは、奴隷だった頃の自分が欲しかった「自由と権利」そして「家族」を、
ホムンクルスも生まれながらに持ってしまっただけなのだったと知り、涙した。
戦いのために体内の魂をすべて消費し負傷したヴァンは、家族との暮らしに戻る事なく、ほどなくして死亡した。

一応大筋はハッピーエンドだったがホムンクルスが可哀想すぎて後味が悪かった
この世に生まれた時点で積んでる


678 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/30(木) 10:45:45.10
可哀想…うーん…ヤツがやらかしたのは大量虐殺だからなー。
人体実験で人生狂わされたやつも万単位だろ?

679 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/30(木) 13:30:54.23
>>675
おおお!すごい読み易いよ!
漫画パラ読みした程度だったけど、大筋そういう話だったのね

681 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/30(木) 13:50:09.36
本筋のバックグラウンドという感じかな。

ちなみに、物語内でヴァンと呼ばれたことはないんじゃないか?w
正式名称ヴァン=ホーエンハイム、他人に呼ばれるときはホーエンハイムだったような。


683 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/30(木) 13:54:31.30

主人公の介在なしでストーリーがまとめられてるw

684 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/30(木) 13:57:24.96
>>681
そうなんだ。ありがとう。
アニメ(しかも昔やってたやつ)しか見た事ないから。
原作とか最近やってたほうのアニメではそんなふうになってるんだね。
やっぱりハガレンは全体的に後味悪いし、暗いね。おもしろかったけど。

685 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/30(木) 14:46:17.96
ホーエンハイムって主人公の父親だっけか!
なんかストーリー忘れてるわ。
ロイ・マスタングに萌えまくってた事だけはしっかり覚えているw

688 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/30(木) 15:59:43.48
数百年間童貞を貫いたホーエンハイムが、出会った当時まだ10歳以下ぐらいだった女と恋に落ちて、
女が16歳になってから同棲をはじめるというロリコンっぷりがうらや・・・後味悪い

 

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