ホーム » 小説 » 小説/あ行 » Ωの聖餐(平山夢明)

57 名前:本当にあった怖い名無し :2011/07/13(水) 00:58:33.97
まあそれはそれとして、最近読んだ後味悪い短編。
ちょいグロいのが嫌いでなければお薦めできる

主人公は数学科の優秀な学生だったが、夢を諦めヤクザの元で働いている。
彼が下っ端ヤクザの先輩に連れられて会ったのは、「オメガ」と呼ばれる巨漢だった。
それはまさしく巨大な肉の塊で、不潔なベッドに拘束されている。
先輩が言うには、「オメガ」は何でも食べるのだという。
その能力を買われて、ここで「死体処理係」として飼われているわけだ。
主人公は言われるままに死体を解体し、オメガに与える。
胸の悪くなるような日々の中で、主人公はオメガに類まれなる知性が宿っていることに気づく。
オメガは死体の脳を摂食することで、その記憶を取り込むことができたのだ。
オメガは言う。「ある養蜂家の脳を食べたい」


58 名前:本当にあった怖い名無し :2011/07/13(水) 00:59:30.92
オメガはかつては養蜂所に生まれ、蜂蜜の臭いを嗅いで育った。
彼は暴食と衛生状況の悪さでもう長くはなかった。
今となっては過去に戻ることは叶わないが、是が非でもその甘い記憶に触れたいのだった。

主人公はそれを約束する。
約束すると同時に、ある計画を思いつく。
それはかつて諦めたある数学の定理に関する計画だった。
主人公はかつての友人がその定理の解明に肉薄しているという情報を得ていた。
彼はそれをどうしても手に入れたかった。
それを手にして、数学界に華々しく戻りたかった。

主人公は養蜂家と友人を殺して、友人の脳をオメガに与えた。
数学の定理を解き明かしたら、養蜂家の脳を食わせてやる、という約束だった。
友人の記憶を得たオメガは一心に数式を書きつけたが、
その数式は定理の前提条件になるというだけの不完全なものだった。
主人公が絶望してオメガを見ると、彼は蜂蜜の香りの幸せな夢の中、既に死んでいた。


63 名前:本当にあった怖い名無し :2011/07/13(水) 01:21:36.32
>>57
いいね
平山夢明は小気味良く後味が悪い

 

独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)
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