ホーム » 小説 » 小説/さ行 » 十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA(貴志祐介)

303 名前:13番目の人格-ISOLA-(1/3) :2011/08/13(土) 19:27:52.32
主人公は生まれつき「他人の強い感情を読む」能力を持つ若い女性。
その能力のために苦しんだ過去があり、実質、天涯孤独の身上。

彼女は阪神・淡路大震災後にボランティアとして被災地に赴き、
可愛らしい女子高校生・千尋に出会う。
千尋が多重人格者で苦しみを抱えていることを知った主人公は、
能力を隠しながら、千尋の手助けをすることを決意する。

千尋の本来の人格である「千尋」はつらい経験に傷つき、長い眠りについていた。
そして代わりの人格たちが千尋として生活している。
人格の性格や役割は「瞭子(あきらか)」「忍(こらえる)」など、全員が漢字の意味に由来している。
中には「範子」のように幼い千尋を脅かす犬を殺して始末するためだけに生まれた存在もいた。
(範の字源=犬を車でひき殺し、門出の意を表した)
主人公は「瞭子」「陶子」など、様々な人格と対話を重ねて千尋のつらさを知る。
やがて養父母に冷遇されている彼女たちに広辞苑を贈るなど、姉のように親しくなった。

しかし最後に出てきた13番目の人格「磯良(ISOLA)」は異質で邪悪な存在だった。
彼女は地震直後に突然生まれた人格で、唯一、名前の由来が漢字辞典ではない。
「磯良」は幽体離脱を行い、千尋を虐待した養父や虐めた教師・同級生など、
千尋を苦しめる人間を取り殺していく。
傍から見れば不幸な偶然だが、主人公は感情を読むことで「磯良」の行動に気付く。
(磯良=雨月物語に出てくる女。死後に亡霊となって、自分を裏切った夫と愛人を呪い殺す)

主人公は研究者(イケメン)と出会って「磯良」の正体を知った。ついでに恋仲になった。


305 名前:13番目の人格-ISOLA-(2/3) :2011/08/13(土) 19:30:14.19
以前、研究者は助手(喪女)を被験者として、幽体離脱の研究を行っていた。
研究者に惚れている助手は危険を承知で研究を手伝っていたが、
ある時、幽体離脱中に大地震が起こる。
パニクった研究者が助手を見捨てたため、
助手の肉体は大きなタンク(ISOLATION TANK)の中で死亡。
幽体になっていた助手は行き場を失い、何とか千尋の肉体に逃げ込む。
ボロボロの助手が朦朧としながら、最後に見た言葉”ISOLATION TANK”を書こうとして
「ISOLA」と書いて力尽きる。
それを見た千尋たちは彼女を新たな人格「磯良」=超こわい人格、と解釈した。
「磯良」となった助手は、千尋の13番目の人格として居場所を得た。
彼女は名前にふさわしい残酷さをもち、邪魔な人間を次々と殺していたのだった。

すべてを理解した研究者は自分の中に「磯良」の幽体を受け入れて、自分ごと自殺した。
「磯良」は抵抗らしい抵抗も見せず、愛していた男と死ぬ道を選んだのだった。

傷心の主人公はしばらくたってから、千尋に会いに行く。
「磯良」の消滅とか色々で混乱した千尋は200以上の人格に分裂したが、
新たに生まれた13番目の人格「憧子(しょうこ)」の協力により、今は13人まで統合されていた。
「憧子」は力のある人格で、とても聡明で、治療にも協力的だった。
さらに「憧子」は漢字辞典の意味と性格の一致しない人格であり、
千尋のカウンセラーは漢字辞典の呪縛から逃れた「憧れる子」の存在をとても喜んでいる。
千尋たちは「磯良」のことも主人公のこともすっかり忘れていたが、
主人公は千尋本来の人格「千尋」の目覚めを喜ぶ。
自分が忘れられていることを寂しく思いながらも、すべてが好転していることに主人公は安堵した。


307 名前:13番目の人格-ISOLA-(3/3) :2011/08/13(土) 19:32:26.23
そして主人公が帰ろうとした時「範子」が無害な子犬を殺そうとする。
一瞬の出来事に気づいたのは主人公だけだった。
さらに、千尋の中から聞こえてきた人格たちの会話に、主人公は愕然とする。
「範子が余計なことをした」「早く退院するために、怪しまれては困る」
「邪魔な人格は殺してしまえ」「憧子がうまくやってくれる」「憧子なら大丈夫」
その会話には、かつては善の人格として千尋をサポートしていた瞭子たちも混ざっていた。
彼女たちも協力して、人格統合に見せかけながら、
200以上の邪魔な人格を殺していたことに主人公は気づいてしまう。

残された人格はみな「磯良」の残酷性に感化されていた。
さらに「憧子」が生まれて、邪魔な存在をうまく殺す方法を手に入れてしまった。
主人公が千尋所有の漢和辞典を調べると「憧」の場所に「あくがる」の書き込みを見つける。
かつて自分が千尋に贈った広辞苑で「あくがる」を引き、主人公は暗澹とした気持ちになる。

あくが・る【憧る】
①本来いるべき所を離れて浮れ出る。
②(何かにさそわれて)魂が肉体から離れる。……

おわり


313 名前:本当にあった怖い名無し :2011/08/13(土) 22:01:59.79
あくがる=憧子が幽体離脱で人を殺せることの暗示
千尋は「邪魔者は殺せばいいんだ」と気づいたので
頭が良くて外面完璧で人格も人間も殺せちゃう憧子(磯良よりスゴイ人格)を作成
いい子だった主な人格も殺人上等で憧子に頼っている
一方の主人公は味方ゼロ、千尋との友好度もリセット
むしろ千尋の邪魔したらさっさと殺されるので打つ手がない

 

十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA (角川ホラー文庫)
十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA
(角川ホラー文庫)


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