ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その124 » コロリころげた木の根っこ(藤子・F・不二雄)

957 名前:1/2 :2011/09/06(火) 14:54:27.76
昔読んだ藤子F不二雄の短編、かなりうろ覚え

主人公の新人雑誌編集者は人格に難有りと評判の大御所小説家の担当を任される
大御所作家は噂どおりに横暴で勘違いした亭主関白を絵に描いた様な男で特に奥さんへの態度が酷い
ペットの猿が逃げ出した責任を取らせる為に編集者の目の前で奥さんを殴る
酒が切れると何故補充してないんだと奥さんを殴る自分が放り捨てた酒瓶が片付けられてないと奥さんを殴る
夕飯に最近アジやマグロばかりでてくると編集者の前で奥さんをなじる
しまいには奥さんの目の前で浮気相手に旅行の誘いをする電話したり
それに気を利かせて旅行の準備をした奥さんを挿しでがましいと殴る
とにかく気に入らない事があると編集者の目も気にせずすぐに奥さんを殴る
以前から編集部の間でも奥さんはよく耐えているものだと噂になっていた
あきれると同時に奥さんに感心する編集者に作家は
妻は最初からああだったのではなく結婚してから私が力づくで教育してきた賜物だと自慢げに語るのであった


958 名前:2/2 :2011/09/06(火) 14:55:31.05
そんな中編集者は作家の家でちょこちょこ不可解な事が起きるのを感じていた
階段の上に酒瓶が転がっていて、編集者は危ないと思い隅に片付けるのだが
気付くとまた元の位置に酒瓶が転がっているのだ
しかしささいな事だと思った編集者は対して気にしなかった
夜になって作家と二人で晩酌をしていると作家は奥さんへの思いを語る
自分は妻の事を本当は愛しく大切に思っている、その事は妻もきっと理解してくれている筈だと
だからこそ自分が動物好きなのを考えてペットの猿を態々外国から取り寄せてプレゼントしてくれたし
20年もずっと耐えて自分の世話をやいてくれるのだと
編集者がそんなものかと思っていると作家は原稿のネタが浮かんだと言って執筆に取り掛かった
守株の故事にちなんだ「まちぼうけ」の歌を題材にした話で
ひたすら偶然による成功を待ち続ける滑稽な主人公の話なのだという
やっと原稿にとりかかった作家に安心した編集者は奥さんの代わりに酒のおかわりを取りに行く事にした
酒が何処に有るか分からずうろうろする内に奥さんが作っているらしいスクラップブックが放ってあるのを見つける
何の気は無しにその中を見てみると内容は死亡事故や病気の予防の為の記事ばかりであった
「外国で猿からうつる感染症が発生」
「水銀が多く含まれるとされ注意するべき魚一覧」
「階段で落ちていたおもちゃに足を滑らせ事故死」
その内容に嫌な予感がして作家の元へ戻ろうとした主人公が目にしたのは
階段の上に恐ろしい表情で酒瓶を転がす奥さんであった
その姿はさながら、ひたすら切り株で兎が死ぬのを待つ故事の主人公であった…

990 名前:本当にあった怖い名無し :2011/09/07(水) 20:11:09.24
>>957
『コロリころげた木の根っ子』ね

 

ミノタウロスの皿 (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)
ミノタウロスの皿
(小学館文庫―藤子・F・不二雄
〈異色短編集〉)
藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編 1 (藤子・F・不二雄大全集 第3期)
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SF・異色短編 1


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