ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その126A » イキガミ

273 名前:1/2 :2011/10/21(金) 02:42:43.71
思い出した。漫画『イキガミ』の劇場版
原作の1エピソードをベースに他の複数の話と複合させてあって脚色されてる
毎回毎回、後味の悪さ50%美談50%ばっかりの漫画だから嫌なら回避推薦

「国家繁栄法」という架空の法律が存在する未来の日本
全ての人間は幼い時に体内に小型カプセルを注射され、
その後カプセルは時を経て百分の一(?)の確立で破裂し、宿主を死に至らしめる
(それにより国民は命の尊さを学んで道徳心が向上し、人口増えて犯罪減って国が繁栄するんだってー(・∀・)凄いね!)

主人公は、繁栄法が執行される通知を対象者が死ぬ24時間前に届ける仕事をしている
(政府は誰のカプセルが何時破裂するのかをほぼ完璧に把握している)
主人公はこの死神の様な仕事を嫌悪しているが、それが発覚すれば「思想犯」として逮捕され、
最悪死刑か、又は「教育」という名の洗脳(詳細は不明)をされてしまうので黙っている

少年Aの母は繁栄法を支持している政治家(?)であり、Aは幼い頃からエリートであることを母に強要され続けてきた
母はAを自分の支持率アップの道具としてしか見ておらず
(漫画版だと「Aの成績の悪さで私が選挙に落ちたら、もうAを家に入れない」とか脅迫じみたこと色々言っててかなり酷い)、
やがてその事実に気がついたAは引き篭もってしまう

母の選挙が目前に迫ったある日、Aの死亡を予告する国家繁栄法の通知が届く
母はこれを支持率アップの最後のチャンスと考え、
「明日の私の演説に出演し、“国家の礎に成れることが嬉しい”と言ってほしい」とAに要求する


274 名前:2/2 :2011/10/21(金) 02:43:51.17
絶望したAは母の要求を拒み、密かに家を抜け出し、警察官を襲撃して拳銃を奪う

その日の夜、Aの母は「捕まり、手術台に拘束され、白衣の集団に取り囲まれる」という恐ろしい悪夢を見る

翌日、母は演説で「Aは繁栄法で死ぬことをとても喜んでいる」という嘘を公言する
そこへ演説を聞いている民衆に紛れてAが現われる
Aの存在に気付いた母は「来てくれたのね」と喜び、演説台に上って来るようAに呼びかける
しかしAは拳銃を取り出して母に向けて乱射し、辺りはパニック状態になる

Aの放った流れ弾が一人の女性に当たり、その女性の子供が女性に縋り付くが、女性は子供に「逃げて」と叫ぶ

Aはその光景を目にし、今まで忘れていた幼い頃に見たある光景を思い出す
それは、若い頃の母が幼いAを繁栄法から守るために国外へ逃がそうとし、思想犯として政府に捕まり、
連行されて行きながらも必死に「A、逃げて」と泣き叫んでいるという光景だった

次の瞬間、Aは警察の一斉射撃で蜂の巣にされて倒れる
Aの父がAに駆け寄って抱きしめると、Aは「一瞬迷って撃てなかった」と言い残して死ぬ


282 名前:本当にあった怖い名無し :2011/10/21(金) 12:39:45.36
イキガミって原作読んだけど、国繁法があるわりには
現実の社会と大差ないから、国繁法になんの抑止力もなさそうなのに
登場人物が普通に受け入れているから、感情移入しにくいんだよね

上の話も再教育されたとはいえ、思想犯が政治家になれるなんて
厳しいんだか緩いんだか、よくわからん国に思える


302 名前:1/2 :2011/10/22(土) 12:08:13.45
>>282
>国繁法になんの抑止力もなさそうなのに
>登場人物が普通に受け入れているから、感情移入しにくいんだよね
いや最終回まで読めばちゃんと分かるよ多分
作中でも何でも国繁を否定するような内容が何度も出てくるしマンセーってわけじゃない

主人公の精神は、国民に死を通達する仕事と、理不尽な法律への不満によって擦り減り続けていく
物語中盤、主人公は、国繁での死が決まって錯乱した若者がセラピスト・A子によって慰められる所に遭遇する
A子は清楚で大人びた雰囲気の美女で、若者はまるで小さな子供の様にA子の膝に縋り付いて泣きじゃくる
A子はそんな若者の頭を優しく撫で、倫理を説くことで若者の精神を救う
(その後、若者は最期に一人の他人を救って美談的に死ぬ)
主人公はA子と若者のやり取りに感動し、擦り減っていた精神は救われる
主人公はその後A子に何度も会いに行くようになり、自分の仕事を「こんな仕事」と言って愚痴を洩らしてしまう

主人公の上司は大らかな性格で、よく主人公が洩らす愚痴を聞いていたが、
ある時主人公に「国繁警察に気をつけろ」と忠告する

「国繁警察」とは、戦時中の特高警察(戦争に反対する非国民を狩る専門の警察。
はだしのゲンの父ちゃんフルボッコした連中)の様な存在であり、
一般人に成りすましてどこにでも潜んで国民を監視している
「廃退思想者」とみなされた者は国繁警察に捕まり、「再教育」を施される
重罪とみなされた廃退者が再教育を受けさせられた場合、
健常者として社会復帰できる者はごく少数であり、殆どが廃人化してしまう
(作中では、廃人化する程の再教育がどの様な内容なのかは一切明かされていない。謎)

物語終盤、A子は主人公に「今の政府に不満は無いか?」という様な類の質問をしてくるようになる
上司の忠告を思い出した主人公は「A子は実は国繁警察?」と疑ってしまい、迂闊に発言できなくなる

A子は「自分も退廃者だ」と言い出し、国繁が悪法であるという根拠を槍玉に挙げ、
「国民は国繁で死ぬ人々の美談に感涙しているが、そんな国民の目を覚まさせ、世の中を正さなければならない」と革命を語る


304 名前:2/2 :2011/10/22(土) 12:11:23.99
数日後、A子は「反政府派の革命組織」へ主人公を勧誘しようとする(この組織の存在は中盤から伏線があった)
怯えた主人公が「自分は政府派だ」と主張すると、A子は
「数日前に廃退者だと宣言した私を国繁に通報しなかったのは、主人公も廃退者だからじゃないのか?」と食い下がる
主人公は「それはA子のことを好きだから」と言おうとするが、結局言えず終いでその日は別れてしまう

A子と別れた後、主人公は国繁にA子が退廃者であることを通報してしまう
(退廃者の存在を秘匿していることも罪になりかねない故)
通報後、A子は行方不明になり、主人公は「A子は国繁に逮捕されたのだ」と諦める

最終章。テレビ局の話
ある青年に国繁の通達が届くが、青年は主人公に刃物を突きつけて人質にし、テレビ局(?)に立て篭もる
青年は自分の姿を全国に生中継し、国繁の悪徳さ、本当の命の尊さを全国民に伝えようとする

そこへ、A子が立て篭もり現場に公証人として現われ、青年を説得し始める
逮捕されているはずのA子が何故ここに居るのかと主人公は戸惑うが、
「A子の真の正体はやはり国繁警察だったのだ」という思考に行き着く
最終的に青年は過去のトラウマが払拭されて降伏し、主人公は解放される

主人公はA子に駆け寄って礼を言い、今度こそA子に愛の告白をしようとするが、何故かA子は主人公の発言を征す
次の瞬間、A子はテレビ局を包囲していた国繁警察に手錠をはめられ、連行されて行く

A子は実際には本物の退廃者で、革命組織の中枢メンバーであり、主人公の通報で現われた国繁警察から逃げて潜伏していた
しかし、主人公が立て篭もりの人質にされているという事を知り、主人公を助け出すため、
自分の自首を条件に国繁警察と取引し、立て篭もり現場に公証人として入れてもらっていたのである

最終話。A子の真実を上司から聞かされた主人公は、国繁のもう一つの姿に気が付く
国家繁栄維持法の真の目的は、死と政府への恐怖を国民達に植え付け、
抵抗心を奪い、「従ってさえいれば幸福でいられる」と思い込ませることだった
まさに、主人公が国繁警察を怖れてA子を通報し、逆に国繁警察だと誤解した場合は愛の告白をしようとしたのと同じ様に

(A子がその後どうなったかは一切不明)

 

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