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482 名前:本当にあった怖い名無し :2011/10/29(土) 19:51:15.41
永遠の子供たち

主人公は幼少期を孤児院で過ごした。
身寄りのない他の子供達と共に、日本でいう「ダルマさんが転んだ」に興じたりする日々を送った。
養父母に引き取られて孤児院を出てから十数年、主人公は夫と息子を得ていた。
息子は実子ではなく、養子。母子感染によりHIVを患っており、定期的に薬を飲まないと死んでしまう。
息子のような障害を持った孤児たちを対象にした孤児院を開こうと、
主人公はかつて自分が暮らした孤児院跡を訪れる。
主人公が出ていってからしばらくして孤児院は閉鎖してしまったので、
残された建物を買い取り、移り住んで夫と共に修繕を行いながら開園の日を指折り数えた。

息子は空想癖があるピーターパンが大好きな子。存在しない架空の友達と一人でよく遊んでいた。
子供にはよくあることだと思っていた主人公であったが、息子は孤児院に移り住んでからは、
かつてこの孤児院に住んでいた主人公の友人たちの名前を、友達の名前にするようになった。
少し不気味がり、もうそういう遊びはやめたらと主人公が言うと、息子はぐずり、
「ママが厳しく当たるのは僕が本当の子じゃないからでしょ、僕はすぐに死んでしまうんでしょ」と言い出した。
息子には養子であることも病気であることも知らせていなかったのに何故だと思っていたら、
「友達が教えてくれたんだ」と息子は言う。
そして「友達たちは永遠の子供で、僕も大人になれずに永遠に子供のままなんだ」と話す。
孤児院の中では、夜中に激しい家鳴りがしたり、まるで下にいる人を狙ったかのように突然窓枠が落下してきたり、
奇妙な出来事が続いた。

ある時、息子は「トマスが秘密の部屋を教えてくれたから見に来てよ」と主人公を誘った。
もちろんトマスなんて友人は息子にはおらず、彼もまた架空の存在のようだった。
用事があるので断る主人公。息子はふてくされながらその場を去っていた。
そのまま用事を続けていた主人公は、頭に袋をかぶった子供を見かけた。
袋のために顔はわからず、息子なのかと怪しみながら近づいたところ、その子供はいきなり主人公を突き飛ばした。
倒れこんだ主人公は、しばらく痛みに苦しみながらも、起き上がると怒りながら子供の後を追った。
だが子供は見つからず、そして息子も見つからなかった。


483 名前:本当にあった怖い名無し :2011/10/29(土) 19:53:33.15
息子は忽然と姿を消してしまった。
どこかに迷い込んだのか誘拐か、警察が調べても一向に見つからなかった。
主人公は、孤児院の中も周囲も半狂乱になって探しまわったが息子は発見できず、
薬を飲まなければ死んでしまうのに、数ヶ月がたってしまった。
息子の言っている「友達」は幽霊の類で、冥界かどこかに連れていかれたんじゃと主人公は思い始めた。
夫はそんなわけないと諌めるが、きっとそうだと思うようになった主人公は霊媒師を呼んだ。

霊媒師によれば、かつてこの孤児院が閉鎖されたのは、
主人公が出ていった後に子供たちが殺されたせいだという。
主人公が出ていった後、一人の女性職員と、彼女の子供・トマスが孤児院にやってきた。
トマスは生まれつき醜い顔をしていたため、それを恥じて袋をかぶって生活していた。
他の子供達はそれを面白がり、洞窟の中にトマスを連れ込み、中でトマスの袋を奪った。
洞窟は潮が満ちると水で満たされる構造になっており、
袋がなくてもトマスは嫌々出てきて素顔を晒すと思っていたのだった。
だが、トマスは出て来なかった。そのまま洞窟の中で溺死してしまった。
ただの事故として処理されたが、その事を恨んだトマスの母は、子供たちを毒殺した。
子供のままで死んだ彼らの霊が、主人公の息子を連れ去ったのだと霊媒師は言う。
死に近しい者は霊に引きずられやすい、だからHIV患者の息子は霊たちとコンタクトがとれてしまったという。

息子の失踪によって孤児を引き取るどころではなくなった孤児院の中では夫妻だけが暮らしていた。
だが、霊媒師を呼んだり、霊に向かって呼びかけたりするようになった妻の行動にどん引きした夫は去っていってしまった。
一人きりで見えない子供たちに、息子を帰すよう呼びかける日々を送る主人公の姿はどんどんやつれていった。
かつてダルマさんが転んだを行ったことを思い出した主人公は、
もしかしたら霊は遊んで欲しいんじゃと思い、一人きりで鬼の役になってそれを行った。
主人公が遊びの口上を言うたびに、背後には黒い影のような子供たちが増えていく。
やがて一つの影が主人公の体に触れた。ふりむくと影たちは走り去っていった。
影を追いかけた主人公は、ある壁に違和感を持った。
息子捜索の中で動かした荷物が前に置かれているその壁には、隠し扉があった。


484 名前:本当にあった怖い名無し :2011/10/29(土) 19:55:13.78
隠し扉の中には子供部屋があった。それは、他の子供から距離を置いていたトマスに与えられていたものだった。
その中に息子はいた。すでにもう事切れていた。
死に近い者は霊と接することができる、ならばと主人公は大量の薬物を飲んだ。
薄れ行く意識の中で主人公は、笑顔の息子と再会した。
もう絶対に離さないわと主人公は息子を抱擁する。
そして周囲には、かつて同じ孤児院で育った子供たちがいた。
「みんなはずっと子供のままだったのね」「主人公は大人になったのね」
そんな会話を交わし、主人公はみんなのそばにもずっといるわと誓った。
やがて主人公と息子の亡骸が発見され、主人公の夫は二人の墓を立てた。

うろ覚えなんでところどころおかしいかもしれない。
これは、「幽霊たちは存在した」とも「存在してない」ともどちらの解釈もできる話になっていた。

存在した場合、霊媒師の言ったことは本当で、息子は子供たちに引きずり込まれて隠し部屋に招かれた。
そこに拘束され続けたまま死んだが、主人公もまた霊となってやってきてくれたので救われたという物語。
だが、主人公と子供たちは孤児院に永遠に縛られてそこで暮らし続けなければならない。

存在しない場合、息子はただ空想の遊びをしていただけ。子供たちの名前がわかったのは、
孤児院の色んな場所に子供たちが名前を落書きした跡があったため、そこから想像を膨らませた。
永遠の子供たち云々は、ピーターパンからの着想によるもの。
トマスという子供がいたのは本当で、彼のかぶっていた袋や部屋を見つけて遊んでいた。
だが霊媒師が言っていたトマス死亡や毒殺事件は、主人公から得た情報をもとに組み立てたでっちあげ話で、
トマスも他の子供達も普通に大人になって出ていっただけ。
家鳴りも窓枠落下も、十数年も放置された建物だからというだけ。
養子である事などは周囲の大人から聞いて知っただけで、それへの反抗からトマスごっこをし、
本気で怒らせてしまい、叱られるのが嫌で隠し部屋に閉じこもったところ、
主人公が外に荷物を置いてしまったので出られなくなり、声の通しも悪いのか助けも呼べず、
そのまま中で死亡してしまった。主人公が最後に見た再会と抱擁は、全て主人公にとって都合のいい妄想。

どっちにせよ後味悪い

 

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