ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その126A » 百鬼夜行抄/隣人を見るなかれ(今市子)

652 名前:今市子『百鬼夜行抄』 :2011/11/07(月) 00:55:34.94
主人公の祖父は妖怪や魑魅魍魎と関わりが深く、術も使えたり使役する妖魔を持っていたりした人。
その血を最も濃く受け継いでいる孫の「律」が主人公で、巻き込まれパターンの話がメイン。
祖父の子供たち(主人公の母親、叔父伯母等)も多少変なものが見える人たちで、その子供
(主人公の従姉妹たち)は主人公には及ばないもののみんな霊能持ち系。

主人公の「律」が一番祖父の力を継いでいると思われていたけれど、
実は叔父にあたる「開」という人物もそっち系の能力に長けていた。
そのことで祖父と対立して家を出て行ってしまい、20数年消息不明。
祖父は妖怪や魑魅魍魎系を「あるべきもの」として共存しようとしていたが、
「開」は支配して使役するものみたいに、ちょっと悪役っぽい方向の人らしい。
写真も全部顔だけ切り抜いてあったり、徹底的に存在を消している。
祖父は「開」のことで思うところがあったのか、主人公の「律」には呪術的なものは全く教えなかった。
そのために主人公は祖父の死後にいろいろ巻き込まれて苦労している。
ここまで前提。

巻き込まれ型の主人公律が、バイトバイト、と大騒ぎして家を飛び出していく。
そこから回想シーンに入って、大学のパーティのようなもので、あるクラスメートに依頼をされる。
相手は故郷のド田舎でおこなわれる「祭り」に祭主として出なければならない、そんなことで帰りたくない、
しかも内容がちょっと変だ、代わりに行ってくれないか。バイト代は弾むから。
「おまえそういうの得意だろ?」と彼の能力を知った上での依頼に、興味を惹かれて引き受けてしまう。


653 名前:今市子『百鬼夜行抄』 :2011/11/07(月) 00:57:22.30
山奥の雪深い村で行われる「秘祭」は、豊穣の祭りと言い張るものの明らかにおかしい。
雪に埋もれた小屋に何日かいればいいだけ、と言われてほとんど閉じ込められる。
その夜に綺麗な女性が訪ねて来る。
その女性は彼が本来の「祭主」ではないと気付いて、ただ話だけをして帰って行った。
翌朝に食料を持って来た村人が、なにかを確認して「まだ終わらない」とまた戸を閉めてしまう。
それが数日続いて、つまり「祭主」(本当は村長の子孫のクラスメート)があの女性に
手を出すまで「祭り」は終わらないのだと気付く。

なんとか逃げられないかと小屋を探っても何かがおかしく、どうやっても出られない。
そしてこれが呪術の領域で、すでに自分が「あちら側」に閉じ込められてしまったことを知る。
毎晩訪ねて来る女性が本当に普通の人っぽいので気付かなかったが、彼女も人間ではないらしい。
その彼女は彼に普通に情を移してしまって、彼を逃がすために協力をする。

なんとか結界を壊して小屋を抜け出すと、雪山だったはずが草原を走って逃げている。
追ってくる「なにか」を塞ぐように女性が庇い「早く!あそこから出て!」と示すのは
主人公が今住んでいる「実家」の塀だった。

ちょうどその時、祖父の法事で息子(叔父伯母)たちが勢揃いしていて、庭先で行方不明の弟「開」の話をしていた。
「律は本当に開にそっくりだなあ」
そこへバイトから帰ってくる「律」。


654 名前:今市子『百鬼夜行抄』 :2011/11/07(月) 00:59:04.26
ここがマンガ的な仕掛けで、「バイト」の言葉で引っかけたまま、回想シーンから登場していたのは
律でなくて25年前の開の方だった。その後も名字でしか呼ばれてないし、顔が同じなので
主人公の巻き込まれた話と思われていたのは実は開の話だった。
元々祖父が作った裏庭で場が歪んでいたところに、祖父の血を引く息子たち、そこへ主人公が加わったことで
主人公律と叔父の開の力で、二つの空間がリンクする。
叔父伯母たちが見たのは裏庭を走ってこっちに逃げて来る律と同じ顔の、弟の「開」。
律はその呪術的空間に気付いて、とにかくみんなで引っぱれ!と指示。
差は大小あっても、祖父の血を引く一族全員で「開」をつかんで、塀のこっち側に助け出す。
開と律が呆然とお互いの顔を見ている間に、止まっていた「開」の時間が流れて
同じ顔はあっという間に40代の中年になってしまう。

開は消息を絶っていたのではなく、異空間に閉じ込められて帰れなかっただけ。
しかも本人は20歳くらいの時点で数日しか過ごしていないのに、戻ったときはこっちの時間では45歳。
中味は20歳のまま学歴も職歴もなく、いきなり中年として放り出されてしまった。
戻れてよかったね、とはとても言えない状況に。

その後この叔父さんは不動産屋に就職して、あやしい部屋のお祓い専門で自活はできるんだけど
中味は20代、でも青春時代はとっくに過ぎて見た目も中年…と思うとやりきれなさが残る。
しかも実の兄弟にまで祖父に反抗して家出と思われてたままだったし。


655 名前:本当にあった怖い名無し :2011/11/07(月) 01:03:19.42
主人公男か

656 名前:今市子『百鬼夜行抄』 :2011/11/07(月) 01:07:43.77
>>655
そう。ごめん。
省いたけどその辺も祖父絡みで、あえて「律」で7歳まで女の子の格好で育てられてる。
祖父の関係してる魑魅魍魎から守るためだった。

 

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