霧の中の風景
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852 名前:1/2 :2011/11/15(火) 22:37:27.57
- ギリシャの映画、『霧の中の風景』
10歳前後の姉、4歳くらいの弟が2人だけでまだ見ぬ父を求めて旅するロードムービー2人の姉弟は父が住んでいると母に聞かされたドイツにいつか行きたいと
毎日列車を眺めに駅に通っていたが、ある日とうとう実行に移す
無賃乗車の2人はすぐに捕まり、伯父に引き渡されそうになるが
ギリシャでは珍しい雪に助けられ、雪に見とれる警官の隙をついて脱出
ひたすら父のいる希望の土地、ドイツを目指す
途中途中で幼い姉弟は様々なものを見て学んでゆくが、
ほとんどは陰鬱で辛い雰囲気が漂っていて
夜の街頭で雪を血で汚しながら、死にきれず痙攣を繰り返す馬を
じっと見つめる弟は残酷でどうしようもない生と死を学び
旅芸人の一座としばらく同道し、移り行くギリシャの中で
時代に取り残された一座の悲哀が語られたり
そこで一人の現代的で親切な青年と出会ったりする
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853 名前:2/2 :2011/11/15(火) 22:39:42.93
- 一座と別れた後にヒッチハイクでトラックの中年運転手に拾われるが、
弟が寝ている間にその崩れた中年男に暗い荷台に呼ばれ
出てきた姉の足には強姦によるものと思われる血が流れ落ち、
姉は無感動に暗い目で無言で手のひらで拭った血を幌にこすりつけ、
弟を呼びまた2人でひたすら希望の地をめざしてフラフラと歩き出す
旅一座の青年と再会し、初めての恋を自覚するが、
彼が同性愛者であることの発覚、失恋とほとんど同時の自覚だった
とうとう国境まで来た2人だが、無一文のため、
姉は1人の兵士に体を提供しようとするも、姉のあまりの幼さ、痛々しさに
つくづくやるせなくなった兵士は金を投げつけ嘆きつつ去っていく
とうとう暗闇の中、ボートで国境の河を渡る姉弟の耳に銃声が響く
次のシーンでは、薄明るい霧が段々晴れてゆくと
希望の地の象徴である一本の木が見えてくる
2人は手に手をとってそこへ歩き出すここで終わりなんだけど、結局、既に姉弟は撃たれて死んでしまっている感もあるし
実は序盤で迎えに来た伯父が、ドイツの父とは、私生児を生んだ母親の嘘で
存在しない架空の人物であるということを警官に語っていて
生きてドイツにたどり着いたとしても、そこは2人の辛い旅の終着点でもなく
父という拠り所はそもそも存在しないという……ギリシャとドイツは隣じゃないだろと思うんだけど
その辺はなんだかぼかしてあるみたいだった
だいぶ前に流して見たので、細部が違ってたり、脳内補完があるかもです