悲劇駆逐法(天の川隆彦)

372 名前:1/2 :2011/12/15(木) 03:11:43.33
漫画の話題繋がりだけどミラクルジャンプの読みきり「悲劇駆逐法」が後味悪かった

主人公は女子中学生(高校生だったかな?)の椿という少女で
彼女の住む国では「悲劇駆逐法」という法律がある
これは本人の申請で国民の平均的な幸福度と比べ、不幸ならその原因を完全に除去し不幸に報いる幸福を与え、
幸福なら平均まで不幸にする法律だ(判定は厳し目。例えば顔のせいでいじめられて整形に失敗した女性が
この法律を利用したところ、健康であることや周囲に好意的に接してくれる人がいるため
平均より幸福と判断されより醜い顔にされてしまう)
何度も担任からこの法律の利用を止められるが椿は卒業式でこの法律を利用し自分の不幸を訴える


373 名前:2/2 :2011/12/15(木) 03:13:23.78
彼女の不幸とは幼い頃に双子の姉と出かけた際に男に誘拐されかけ、
助けようとした姉が目の前で殺されたこと。
そして「自分のせいで姉が死んだという罪悪感から、双子であることを利用し
姉つまり『椿』として生き、本来の自分である『桜』としての自分を捨てたこと
「『椿』としては幸せだったが『桜』としては不幸だった」という訴えは受理され
悲劇の原因である犯人の存在はなかったことになり(犯人は担任で法律の利用を止めていたのは
自分の罪を隠すため。殺されたのではなく人々の記憶からも消え最初からいなかったことになる)
幸せな『椿』は生き返った代わりに足と視力を失い不幸な『桜』は亡くした姉と自分の人生を取り戻す

桜の言い分もわかるが親を始めとした人々をだましてでも椿として生きたのは
本人が決めたことだし「『椿』としては幸せだったが『桜』としては不幸だった」
というのは自己満足でしかないと思った
それに妹をかばって殺された挙句、桜が椿として生きた人生が幸福だから、と
視力と足を失って生き返った椿のことを考えるとハッピーエンドともバッドエンドとも言えない

 

ミラクルジャンプ No.09 2012年 7/20号 [雑誌]
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